朝ドラ出演で知名度が急上昇

 ブレイクにいたるまでには、実に15年近くを要した。

「芝居の勉強だと思って劇団に出入りしたり、舞台や映画をたくさん見ていたものの、昼間からお酒をあおるような生活を送っていたこともあったんだとか。でもいつか成功するという自信はもっていたそうです」

 '14年にNHK連続テレビ小説『花子とアン』の出演が決まり、一気に知名度を上げていく。中島は仲間由紀恵演じる葉山蓮子の恋人となる帝大生・宮本龍一を演じた。社会主義運動に関わっていた青年という難しい役どころだったが、演出を務めた柳川強氏に当時の話を聞くと、

「『黒蜥蜴』に出演していた中島さんが気になっていたので、オーディションに来てもらったんです。古風な印象を受けましたが、芯がある人なんだと感じました。そこが反権力を叫ぶ学生の役にぴったりだと考えたんです」

 '25年にも朝ドラに抜擢されることに。今田美桜が主演した『あんぱん』では、ヒロイン・朝田のぶの、最初の夫となる若松次郎役を演じた。同作でも演出を担当した柳川氏は、このとき中島の変化を感じ取っていたという。

『あんぱん』のときに再会すると、のぶとのお芝居について、いろいろとアイデアを考えてきていて、話し合う時間を多めにとりました。彼は途中から撮影に参加して役を作っていかなくちゃいけなかった。その難しさを埋めるために、そういう作業が必要だと思ったのでしょう」

 のぶとのお見合いやプロポーズのシーンは、台本にしておよそ10ページ分の内容を1日で撮影した。

「十分にリハーサルができなかったにもかかわらず、うまくいったんです。彼は『花子とアン』では、自分を出せなかったと悔しい思いをしたそうなので、『あんぱん』はリベンジだと思って撮影に挑んだのでしょう」(柳川氏)