人を笑顔にし、魅了する料理と音楽

 度重なる病を乗り越えてきた秘訣のひとつに、プロ級と周囲から評される料理の腕前がある。

 ミュージシャンとしては珍しく、料理本を出すほどである。

「中学生のころから料理が好きで、何でも作り、食材も残さず使います。それにどんなに大変なときでも、料理ができているからまだ大丈夫という安心がある。料理と音楽は同じで、自分で作るものが好きで、人を笑顔にするのが好き」

尾崎亜美の自宅のおもてなし会。実験的なものや初めて作るものが多いときは「OHALABO」の名前で開かれる
尾崎亜美の自宅のおもてなし会。実験的なものや初めて作るものが多いときは「OHALABO」の名前で開かれる
【写真】ロサンゼルスで結婚式を挙げた尾崎亜美と小原礼

 尾崎の手料理が食べたくて多くの友人が自宅にやってくるので、わが家を“小原亭”と名づけた。

「礼さんの周りはいい方ばかり。高橋幸宏さんは釣りがお好きだったので、いつも釣った魚を“料理してー”と持ってきました。ミカバンドのリーダーだった加藤和彦さんには何から何までお世話になって。あの方も料理好きだったから、形見分けでお鍋や料理本をいただきました」

 世界的なソムリエで料理評論家の田崎真也とも気心が知れた友人。現在は静岡県熱海市を拠点にして地域活動に深く関わっている田崎の元を訪れるなど、いつでも気兼ねなく話せる仲だという。

「初めてお会いしたのは、尾崎亜美さんがMCをされていたテレビ番組にゲストで呼んでいただいたときでした。その番組の中でゲストが一曲歌うというコーナーがあって、なんと亜美さんのピアノの伴奏で歌わせていただきました。

 その収録現場に、ワインが大好きな小原礼さんがいらしていて、そこから意気投合。一緒に食事をしたりワイン会にお誘いしたり、ご自宅に伺ったりと。旅番組でご一緒させていただいたこともありました。

 尾崎さんのお人柄はひと言で言うと、誰もが一瞬で好きになってしまう魅力のある女性。そんなお付き合いの中で、小原さん、尾崎さんご夫妻には、2007年に日本ソムリエ協会の名誉ソムリエにご就任いただきました。理由は、いつも楽しくお酒を飲んでいて、そんな楽しみ方を多くの方々に手本にしていただきたいと思って」(田崎)

 55周年を迎えたシンガー・ソングライターのイルカとも、初対面で意気投合してからの長い付き合い。

2025年5月18日に開催された福井の「ふくしんふれあいコンサート」で共演したイルカと尾崎亜美
2025年5月18日に開催された福井の「ふくしんふれあいコンサート」で共演したイルカと尾崎亜美

亜美ちゃんと出会ったのは50年くらい前。ひな祭りコンサートという、女性アーティストだけが出演するコンサートを毎年3月に夫(神部和夫さん)がプロデュースしていて、そこに出演されたのが最初ですね。

 趣味嗜好がすごく似てるんですよ。可愛らしくて不思議なところもあって好き。亜美ちゃんや太田裕美ちゃんと共演することが多くて、こちらからお誘いして一緒にジョイントコンサートをするようになりました。お料理が得意な方なので、SNSに投稿しているお料理を欠かさずチェックしていて、会うたびに“もう、人んちのことよく知ってるんだから~”と言われます」

 そして尾崎と小原の夫婦仲についても、

「旦那さんの小原礼ちゃんのために必ず帰って料理をされて、礼ちゃんも亜美ちゃんのごはんじゃないとダメと言うほど“餌付け”してる(笑)。おふたりはお互いに刺激し、尊重し、高め合っている。共にすごく努力しているでしょうね。努力なくして夫婦はうまくいかないですからね」(イルカ)

 音楽活動について、多くの人に楽曲提供をするヒットメーカーで自身のアルバムも自分でプロデュースしていることに触れ、

「音楽も料理もホームメイドっていう、亜美ちゃんのイメージで、彼女とのジョイントコンサートを『ホームメイドコンサート』って名づけました。可愛らしい部分と自分の描いたものを貫く芯があって、そのバランス感覚がとってもいい。

 私も今年で55周年。こんなに長く歌ってこられたこと自体が奇跡。そして1回でも多く、また一緒にステージに立てたらいいなと思います」(イルカ)