山田孝之が鬼を演じた前作の企業広告シリーズ『鬼のゆく道』は、心の豊かさとは何かという普遍的な問いを描いていた。新作の『キャプテン・モットの冒険』では、その問いをさらに広い世界に届けていきたいという思いがあったという。そこで、柳楽演じる探検家が航海に出て、いろいろな人や価値観に出会っていくというストーリーが生まれたそう。
「特に今回のシリーズでは、主人公が冒険する姿を描きながら、『新しい世界には何があるんだろう』というワクワク感を表現したいと思いました。柳楽さんご自身もいろいろなことに興味を持ってチャレンジし、心から楽しまれている印象があったので、探検家役にぴったりだと。撮影ではこちらの意図をうまく汲み取って、未知の世界に踏み出す高揚感を自然に演じてくださいました。
そんなキャプテン・モットが出会うさまざまな心の豊かさを持つ人物として、静的でプロセスを大切にする方と、動的で結果を追い求める方を対照的に描きたいと思いました。そういった観点から、第2弾ではアリの観察に静かに熱中する島田拓さん、第3弾では殺陣を世界に広めるために突き進む香純恭さんにご出演をお願いしました」(香坂さん)
アメリカでたった一人、殺陣師としての道を切り開く
香純恭さんは1998年に『藝道殺陣「波濤(はとう)流」高瀬道場』に入門して殺陣とアクション技芸を磨き、俳優としても多くの映像作品や舞台に出演。その後、家族の都合で渡米し、2014年にアメリカで唯一の殺陣の道場である『藝道殺陣「波濤流」NY本部』を設立し、殺陣師として活躍している。
「香純さんは周囲から無謀だと言われながらも、アメリカでの挑戦をチャンスととらえ、長い年月をかけて殺陣師としての道を切り開かれてきました。信じた道へ踏み出し、進み続けるその姿自体が、新しい形の心の豊かさを表していると思います」(香坂さん)
殺陣は歌舞伎の立ち回りを起源とする日本の伝統芸能であり、相手と呼吸を合わせて美しい動きを作り上げていくパフォーミングアーツ。CMでは香純さんの殺陣の技術と迫力をしっかり伝えるため、素早い刀の動きだけでなく、構えたときの立ち姿、視線や所作など相手を思いやる“間”も丁寧に撮影されている。夕暮れの光の中で際立つ、香純さんの圧倒的な演舞と存在感は必見だ。












