CMの凜とした表情が印象的な香純さんだが、休憩中は柳楽さんとの会話も盛り上がり、笑顔に包まれる瞬間が多かったという。撮影現場はどんな雰囲気だったのか、香純さんご本人にも話を聞いた。
「スタッフの皆様がプロとしてこの制作を心から大切に思い、楽しんでいることが伝わり、ご一緒させていただき光栄でした。柳楽さんは誠実でまっすぐな目でお芝居をされていて、一瞬で物語の世界に引き込んでくださいました。そして雄大な海と夕日を背に、崖の上で刀と同化できるなんて、なかなかできない貴重な体験でしたので、思い出深い撮影となりました」(香純さん)
ニューヨークに道場を開設するも苦労の連続だった
子どものころから身体を動かすことが好きで、アクション女優を目指して20代で藝道殺陣「波濤流」高瀬道場に弟子入りした香純さんは、すぐに殺陣のとりこに。その魅力はひと言では表せないほどたくさんあるという。
「第一の魅力は、非日常を体験できること。帯を締めて刀を差すだけでスイッチが入り、シャキッと気が引き締まります。そして殺陣を学び進めていくと、先人たちの生き方に触れる瞬間があります。胸に迫ることもあれば、指針になることもあります。
人生をかけて殺陣に打ち込もうと腹を据えたのは、アメリカに来てからでした。自分とは違う価値観の相手と手順を探り、ゼロコンマ何秒の世界をひたすら研磨していく時間は、確実に自分を次の次元に連れて行ってくれました」(香純さん)
日本で厳しい修業をへて師範となり、殺陣師としての地位を確立したものの、家族の都合でアメリカに移り住むことに。殺陣を教わりたいという声を受けて2014年にニューヨークに道場を開設するが、最初は苦労の連続だった。
「アメリカでは『殺陣』という言葉は当然知られておらず、まずは殺陣そのものを知ってもらうことに苦労しました。アメリカには有名な『TATE's』というクッキー会社があるので、道場がクッキー会社と勘違いされたり、生徒から『俺のほうが強い』と怒鳴られたこともありました。それでも動作や所作には意味があること、相手があっての自分であること、日本の文化や歴史も含めて少しずつ丁寧に伝えていきました。












