「いちばんしゃべらない大野が中居に暴言を吐き、中居が怒る。それを嵐の4人が止める」という構図は中居が考案したもので、自然とメンバー全員が番組の中で自分から発言できるようになった。ゲストを軽妙にいじり、ほどよく毒も吐くが、決して行きすぎることはない。雑誌の取材でこんな言葉も。

「誰でもテレビで見せたくない弱みとか、プライドってあるじゃない。そこは絶対押しちゃいけないスイッチで、話していくうちにわりとすぐ場所がわかったりする」

 前出の女性誌記者は、

「“プライベートでも押されたくないスイッチには気をつけてる”と言っていました。いくら相手が親友だろうが彼女だろうが親だろうが、人と接するときに気を遣わないってことはないと」

 ただ、自分の押されたくないスイッチについては別。

「そういうのはない。たとえ押されても顔に出さない、って。ファッションセンスがないとか言われても、そういうスイッチに俺はプライドを託してはいないから、何を言われてもへっちゃら、と笑っていましたね」

 中居正広は底知れない。'13年に放送された『SMAPはじめての5人旅』のカラオケで『BEST FRIEND』を聴きながら号泣していた姿。この25年間、背負ってきたものの大きさを感じずにはいられなかったが、そこに弱さを見ることはなかった。「自分の弱さ」について、20歳の中居はこう語っていた。

《僕ね、自分の弱いところは人に見せるもんじゃないって思ってる。だから友達にも悩みを相談したりしないで、ひとりで解決しちゃうんだ。わりと自分の感情は抑えるほうなのかもしれないな》(JUNON'93年3月号)

 幼いころから人生をSMAPに捧げてきた中居。中野美奈子アナや倖田來未との交際が報じられたこともあったが近年は「結婚願望はない」と口にする。それは、“SMAPのリーダー”という居場所が彼にとって、最大で最愛であったことを物語っているのかもしれない。