信繁とふたりのシーンはすごく愛おしい

武田家が滅びてから、真田家を守ることを一番に考えてきた信幸たち。その思いを胸に、親子は袂を分かつ―― (NHK提供)
武田家が滅びてから、真田家を守ることを一番に考えてきた信幸たち。その思いを胸に、親子は袂を分かつ―― (NHK提供)
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 天下分け目の関ヶ原の戦いは、徳川家康(内野聖陽)率いる東軍の勝利で幕が下りた。

「次回(9月18日)の放送で、信幸が昌幸と信繁の助命嘆願をしますが、このシーンへの思い入れはすごくありました。その場で家康から親父と縁を切れ、と言われるんですが、父上と弟が生き残るためならと、そこはすんなりと受け入れることができました。ですが、名前を変えろとまで言われるとは……」

 信幸の“幸”はもちろん昌幸からもらったもの。

「非常に屈辱的な思いですね。親父からもらった“幸”という字を大事にしていたでしょうから」

 このときから信之と名乗るが、“幸”の字は捨てても、読みで“ゆき”を残したのは、彼の意地だったのだろう。これまでのストーリーを見ていても感じるのが、真田の一族や兄弟の絆。

「とにかく源次郎(=信繁)とふたりのシーンは、どのシーンもいいですよね。僕に子どもができたとき、頬を叩き合って喜ぶシーンとかね。すごく大事で愛おしくて」

コミカルな演技を封印!?

 今回、大泉はコミカルな演技を封印して信幸を演じている。もしかして、かなり我慢している?

「以前、三谷さんから“おもしろいセリフを言うとき、鼻の穴がでかくなるので気をつけてください”と言われまして(笑)。鼻の穴は訓練しきれないですけど、面白いシーンをやりすぎないように、という思いは確かにあります」

 物語は最後の戦い、大坂の陣へと向かっていく。信幸・信繁、兄弟の“これから”を聞くと、

「信幸はとにかく真田を守った人。クライマックスの大坂の陣で兄弟がどうかかわってくるのか、史実でもそのあたりは不詳な部分が多いので、ドラマでどう描かれるのか、考えるだけで楽しみです(笑)」