May J.「手作りなので、留め金のところが、すぐ壊れちゃうかもしれないんですけど(笑)」

八代「そう、壊れるんですよ(笑)。でも、直せばいいから。ほら、思いが入っているでしょ。それが大事ですよね。May J.ありがとう」

 すっかり心を通わせているふたりが歌う『母と娘の10'000日 〜未来の扉〜』は、アンジェラ・アキによる結婚を控えた娘と母の思いを綴ったウエディングソング。新たな一歩を踏み出す娘の気持ちをMay J.が、その娘に向けた母の思いを八代が歌いあげている。

May J.「母への感謝の気持ちを歌にしたいというところから始まったんです。

 個人的なことですが、この3年で初めて母が倒れ、2回入院するという経験をしました。“いつも元気なお母さん”だったので、驚いたのと同時に、当たり前だと思っていたことが、そうじゃなくなるんだと考えるようになって。だからこそ、感謝の気持ちを伝えられるような曲が作れたらいいなと思ったんです」

 発売前に、いち早くこの曲を聴いた母親から連絡が来たそう。

May J.「“泣いたよ”って、電話が来ました。曲を通して、私の思いが母に届いて、喜んでくれていたらいいんですけど」

八代「もちろん、喜んでくれているわよ」

May J.「この曲って、聴く人の状況でとらえ方が変わってくると思うんです。私は、やっぱり娘目線で聴いてしまいますね。将来、自分が結婚するときに、母と歌えたらいいなって思います」

八代「なかなか、こういう母と娘の曲ってないと思う。いいですよね。ジーンとくる」

 声質のまったく違うふたりのハーモニーが心地よく、歌詞が胸に沁みる。

八代「May J.の声は、高くて通る声。私は、ギターでいうベース。低音のね」

May J.「八代さんの声は、厚みがあって、響き方が独特なんです。包み込んでくれるような感じで。今回、八代さんのレコーディング姿を見ることができたのが、本当にうれしかったんです! スタッフの方にも見せたことがないって」

八代「デビューから47年間、スタッフは誰も見たことがないの」

May J.「高倉健さんとか石原裕次郎さんがご覧になったことがあるって」

八代「恥ずかしいのよ、真剣に取り組んでいる顔を見られるのが。なぜか、絵を描いているときは平気なんだけど、歌はダメ」

May J.「そんなとってもレアなレコーディング姿を、しかも、女性の歌手とデュエットするのは初めてってお聞きしたので、本当に光栄です。ありがとうございます」