将棋界の天才、藤井聡太四段の祖母・清水育子さんは、

好きなことを好きなだけやらせる環境は整っていました。聡太は本当に好きなことをやってきただけなんですよ

 と孫の幼少期を振り返る。

 昨年、14歳2か月で史上最年少プロとなった彼は連勝街道を突き進み、国民的スターに。連勝記録歴代1位となった原動力は、“好き”を極めたことにあった。

「1歳から電車に夢中になりました。見たいというから線路沿いの道に連れて行くと、帰ろうと言っても駄々をこねて動こうとしない。また、時刻表もよく読んでいましたね。そして、幼稚園に入るころには、いろいろな本を読むようになっていました」

 小学生になると幼児用の本だけではなく、大人向けの本も片っ端から読みあさるように。

あるとき、聡太のお父さんが買っていた『あなたが職場で嫌われる理由』という本を読んでいたのには驚きました。小学生が読む本ではないですよね(笑)。

 また、あるときには主人が体調を崩してとりあえず病院に行こうと話していたら、“とりあえず病院に行くのはいけません!”と怒りだしました。主人が買った本の“とりあえず病院へ行くというのは、医者の格好のお客様です”という一節を覚えていたからなんです(笑)

 記憶力が抜群で、漢字を覚えるのも早く、ピアノを習うとすぐに弾き方をマスター。

「私は花が好きで、オシロイバナを育てていました。聡太にこの花は英語で“FOUR O'CLOCK”つまり、“4時に咲く花”だと説明したんです。そうしたらその何日か後に突然“おばあちゃん、もう4時だよ”と話しかけてきました。すっかり忘れていたので驚きましたね(笑)」

 記憶力に加えて集中力も高く、幼稚園のときにはすでに五目並べや神経衰弱でも大人を負かしてしまったという。