「森さんにとってお母さんは、誰よりも大切にされている存在ですね。お母さんはお孫さんのことを可愛がっていましたが、あるとき森さんに向かって“あなたが1番可愛いから、孫のことも可愛がっているのよ”と言われたそうです。普通のおばあちゃんは、娘以上に孫のことを溺愛しますよね。でも、この母娘は違うんです。ずっと“昌子ちゃん1番”、“お母さん1番”の相思相愛なんですよ」(芸能プロ関係者)

娘が日本歌謡大賞新人賞を受賞し涙ぐむ幸子さん(’72年)
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【写真】小学生時代のワンオクTakaとのツーショット含む森昌子秘蔵グラフ

 現在行われている還暦コンサートは、昨年10月から今年12月まで、全国約130か所で行われる。平均して月10日もライブがあり、同居する母親と過ごせるのは週に3、4日だと明かしている。

「森さんは13年前にお父さんを亡くされています。だからこそ、残されたお母さんを大切にしたいという思いが強く、母娘ふたりで暮らしているんです。お元気とはいえ87歳ですし、地方公演で森さんが家を留守にするときは、お手伝いさんが来ているそうですよ。やっぱり最後まで自分の手でお母さんを介護してあげたいという思いは強いでしょう。私はそのための引退だと思っていますよ」(同・芸能プロ関係者)

 森の父親は生前、何度も取材を受けており、マスメディアに取り上げられることも多かった。だが、母親はあまり表舞台に出ることがなく、どんな人となりなのか知る人は少ないが……。

「森さんが小さいときから、お母さんは娘とベタベタしないんですが、何も言わずともお互いのことがわかっているという感じのふたりです。幸子さんは教育ママやステージママではなく、普段は突き放すというか何も言わず、子どもに頼られたときだけ助け船を出す。これは森さんの息子さんたちに対する親子関係と一緒。完全に影響を受けていますね」(森に近しい人)

専業主婦時代、前夫・森進一と息子らの私立小学校へ
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 母親に真っ先に「引退したい」と告白したときの様子を会見では、「母は何でもお見通しなので見透かされていた」と明かしていた。

「あのお母さんならそうだろうなと思いました。“どうして辞めちゃうの?”とは言わない方ですね。最初の引退のときもそうだし、子宮頸がんになったときもお母さんはなにも言わずとも、どこかがおかしいとわかっていたようです。検査のあと病名を告げたときも、幸子さんから“やっぱり”と言われたと、森さんから教えてもらったことがあります。親子というよりも双子のきょうだいにあるような、インスピレーションが通じ合っていますね。すごい親子だと思います」(前出・森に近しい人)

 まさに“一卵性親子”ともいえるふたり。だからこそ、引退という娘の重い決断でも、母親はすんなり受け入れたのだろう。

「3人の子どもは手が離れ、都内に億ションも所有している。これから先、母親の介護や看病などを十分できる金銭的な余裕もできたんだと思います。会見でお母さんが終活のために、ゴミ袋に自分のモノを捨てているなんて言っていましたけど、そういう母の姿を見て、やはり最期は自分の手で送りたいという思いが日に日に強くなったんでしょう」(レコード会社関係者)

 1日だけの歌手復帰もきっぱり“ない”と否定した森。母と寄り添う気持ちは計り知れないほど強いのだ─。