そんな和行さんがパートナーの吉田昌史さんと出会ったのは、カミングアウト直後の2000年の夏。和行さんが京都大学農学部大学院の2年生、吉田さんが同大法学部の大学院1年生で、和行さんが主宰していたゲイの京大生たちの交流サイトを通じて出会ったという。

会うたびに盛り上がる2人

 和行さんが2人の出会いを、大阪人らしいサービス精神を発揮しつつ披露する。

「(吉田さんが)“中学高校と水泳部でした”と掲示板に書いていて。それを見て“上物が来たっ!”(笑)」

 水泳部員の引き締まったボディに、焼けた素肌。掲示板はにわかに色めき立ったという。とはいえ、

「鳴り物入りで掲示板に登場した吉田くんは、思いのほかイモコロリで(笑)」

 そんな吉田さんに、和行さんは運命のようなものを感じていたという。

「法学部だとも書いてあったんです。実は僕が大学4年の1998年に亡くなった父が弁護士で、自分も弁護士に向いているんじゃないかと思っていました。ですが、トントンと理系の農学部に進んでしまって、弁護士の仕事とは離れてしまった。

 それで僕は、弁護士とか法律を勉強しているような人には僕にはできないことをしている人”というような憧れがあったんです」

 ぜひ会おうということになり、待ち合わせてお茶でも飲もうと学食へ向かう道すがら、吉田さんに出身高校を尋ねると、ともに大阪府立天王寺高校で、さらには兄同士が同級生ということがわかった。共通の知人も多く、会うたびに話が盛り上がる。そのうち、吉田さんが両親を早くに亡くし、おばあさんの介護をしながら学ぶ苦学生であることも知った。

2人の日常を綴った『僕たちのカラフルな毎日』も出版した 撮影/齋藤周造

 話は合うし、共通点も多い。男女だったら結婚を意識し、付き合いを始めるところだ。だが同性同士となると、そう簡単にはいかない。

 吉田さんが「好きなら付き合えばいいやん」とシンプルに考える一方、男同士で付き合うことの意味にこだわったのは、和行さんのほうだった。

「僕にとって付き合うっていうのは、男女が結婚するからこそ必要な段階というイメージ。だから“(男同士だと)デートしたり、遊びに行ってSEXするような関係でいるしかないじゃん”という感じでいたんです。実際、家にいるときだけが恋人同士で、外を歩くときには“地元の後輩”みたいにしているゲイカップルもたくさんいます。二重生活です。

 でも吉田くんとやったら、将来を一緒にできるんじゃないか、一緒に飲みに行って楽しい、SEXできてうれしいだけじゃなく、日常生活を一緒に過ごすことができるんじゃないかと、知り合って最初のころから思えたんです