依存症を水際で食い止めようとの案もあるという。

「行政などと連携し、地域住民が声かけなど来場者に寄り添い、サポートするネットワークを構築する考えもあります。そのボランティアをしたい、と住民からの申し出もありました」(前出・田中代表)

 お金も失い、家族の絆も壊す依存症の恐怖。逃れるすべはあるのだろうか。

田中結加氏(中央)。活動は地域女性の草の根運動で広がる

カジノではない別案は?

「カジノ事業が狙うのは外国人観光客ではなく日本人。特に横浜市という大都市で人口密集地、首都圏からのアクセスも利便性もいい場所にカジノができれば、地域住民は巻き込まれる」(前出・鳥畑教授)

 鳥畑教授は、海外では遠方からカジノにわざわざ足を運ぶ住民もいるため誰でも巻き込まれる可能性はあると指摘。

 そしてカジノに頼らず地域活性化を提案する動きもある。

「横浜港ハーバーリゾート協会では国際展示場、コンサートホール、F1などの招致、ディズニークルーズのアジア拠点などを計画しています。特に女性やファミリー層に人気のディズニーは子どもたちに夢を与えるいい要素です」

 と藤木会長は強調する。しかしディズニーはカジノ施設に批判的なため、カジノの可能性がある地域を候補地からはずす場合もあるという。

「山下ふ頭に25ヘクタール規模の国際展示場を設置するだけで年間約2兆円、800億円の税収増を試算しています。ほかのコンテンツと合わせるともっと上がります。カジノを含めたIR事業を展開するより健全で儲かるんですよ」(藤木会長)

 山本太郎氏が代表のれいわ新選組の大西つねき氏は、既存の代替案に対しても異論を唱える。

既存の経済成長、発展を基に反対するのではなく、子どもたちの将来を考え、ビジョンを示すことが必要ではないでしょうか。特に若い世代が期待できる魅力的なアイデアがなければなにも変わらない。

 それに正直、今、カジノをやっている場合ではないと思います。震災や災害の支援、貧困対策など、労力も時間もお金もかけなければならない課題はたくさんあります