突然、何をするかわからない不安定さ。周囲から煙たがられ数か月で辞めたという。

「ホストを辞めた後は義父が経営する会社で社畜状態だったそうです。小さいころ実の父親を亡くし、母親は再婚したそうですが、義理の父親との関係はあまりよくなかった。自殺願望もあり、精神的にも不安定だった」(前出・友人)

ジュノンボーイに応募

 ホスト時代は、若手ホスト数名でYouTube番組にも出演し「イケメンですよね」と褒められると、まんざらでもない表情を見せていた齋藤容疑者。「目標はあります。なければホストをやっている意味がない」と言い切っていたが、具体的に目標が何かを明かすことはなかった。

ホスト時代の齋藤容疑者。クール系のイケメンとの評判も(ホスト専門誌のブログより)
ホスト時代の齋藤容疑者。クール系のイケメンとの評判も(ホスト専門誌のブログより)
【写真】事件現場と亡くなった石澤さん

 別のホストクラブで一緒だったという元先輩ホストは、

「あまり目立つタイプではなかった。気になったのは、人の言うことに対して反対のことを返してくるんです。天の邪鬼というか……」

 石澤さんに別れを切り出しておきながら、石澤さんがほかの男性と仲よくなると嫉妬する、彼女が復縁を望むと突き放す、という癖は、ホスト時代から見透かされていたのだ。過去には別の女性をストーカーし、警察に「警告」されたこともあったとの報道もある。

 ホストになる前には、弊社発行の月刊誌『JUNON』が主催するコンテスト「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に応募していた。イケメンには自信があったのだろうが、ファイナリストに進むことはなかった。

 事件前は人材派遣会社に登録し、神奈川県藤沢市のワンルームアパートに住んでいたとみられる。しかし、犯行現場の新潟へは、連れ戻された実家の埼玉県上尾市から向かった。約2時間の道のりでも冷静さを取り戻すことなく、上尾市で購入した包丁で元恋人の胸を突き刺した。

 石澤さんは親しい友人に、将来の夢をこんなふうに明かしていたことがある。

「理容関係です。(ヘア)スタイリストとして働きたいと言っていました。気がきいて、いつも明るくてすごくいい子でした。それがこんな形で亡くなるなんて……」

 娘を奪われた石澤さんの遺族は「娘を返してほしいと言いたいです」と悲しみのコメント。送検時にあくびをしていた容疑者に遺族の悔しい思いが届いたかは疑わしい。