はらださんのエッセイは、昔の女の子たちに語り掛け、知らず本音が漏れるようなふんわりとした空気感にあふれています。

結論も決めず、プロットも考えずに書くようにしています。先に結論を決めてしまうと、変にそこに誘導してしまう気がするから。自分でも三分の二ぐらい書いてようやく結論がわかるみたいな。書きながら突然、もしかしてこうかも!って。

 私が書いていることは、結局私の妄想なんで、昔話の主人公からしたら、“え?全然違いますけど”って言うこともあるだろうなと

 もう書いてしまっているので、突然その人の霊が現れて、“違いますけど”って言われたら困るんですが(笑)。せめてもの彼女らへの礼儀として結論を先に考えないという気持ちがあります」

日本の女性を取り巻く“ヤバい”状況

 『日本のヤバい女の子』というタイトルには、日本の女性を取り巻く状況が“ヤバい”という批判や、既成の概念を壊す“ヤバい”女性と言う意味など色々な思いが包含されています。ヤバい女の子として本書に最初に登場するのが、「鬼を拝んだおばあさん」。

 鬼が好き過ぎるおばあさんは、死んだ後、鬼信仰ゆえに地獄に落とされます。が、鬼だらけの地獄を逆にエンジョイしてしまいます

はらだ有彩さん 撮影/坂本利幸
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このおばあさんは、いわば鬼推しのオタクです。彼女は推しが尊いって言ってるだけで地獄で窯茹でにされそうになる。そういう全然意味のない状況に陥りそうになるところに闇を感じます。

 おばあさんは鬼信仰しているけど善良そうだし、いい人そうじゃないですか。ただ、彼女は楽しそうにしている行動でたまたま地獄の状況を乗り切れて、ハッピーエンドになったんですけども、勿論そうなれない人も沢山いる

 だから、この一話の後に続く話でそこをカバー出来たらいいなと言う思いで、最初にこの話を持って来たんです。この人はたまたま何を言われても強いメンタルがあっただけで、自分で自分の機嫌を取ることが出来て、それで乗り切れた

 でも、そうできない人もいるし、自分の機嫌を取り続けた結果、精神の致命傷に気付かず死ぬみたいなこともあると思う。だから色んなパターンの生き延び方を見せたかった」