人と酒、あとはおいしい料理

──青森の日本酒は? 本の中でもたくさん飲んでますよね

 やっぱりうまいっ! 僕の好みなんですけど、日本の南より北の地域の、北のなかでも青森県の日本酒が、きりっと切れ味鋭いのが多い気がする。青森のお酒を知って日本酒の概念が変わりましたね。日本酒って、飲んでいくうちに口の中がべったりするイメージがあったんですけど、青森のお酒にはそれがないかな。

 この本の中では、企(たくみ)さん(鳩正宗の杜氏〔とうじ〕佐藤企さんがつくる特別純米酒「佐藤企」)の日本酒がいちばん好み。

──初めての青森で、人に惚れて、酒に惚れて。でも料理はまだそれほどでもなくて?

 そうそう、そんな感じでした。そのあと、県庁の方から青森県の生産者に会いに行くツアーに招待されたんです。伺う先々の、ほとんどの方が僕を知ってくださっていて。

「わざわざ来てくれてありがとう」と歓迎してくれて、お土産もたくさんいただきました。申し訳ないなと思いながらも、居心地がよくて。何度かツアーに参加するにつれ、どんどん青森を好きになっていったんです。人がいいんですよ、青森は。

 いまは、下北半島で「民宿の定番朝ご飯を作ろう」プロジェクトだったり、県内の市町村から依頼されたご当地メニュー開発に取り組んでいたりして、頻繁に青森を訪れています。青森の特A米「青天の霹靂」の応援大使にも任命していただきました。

栗原心平さん 撮影/山田智絵
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──“第2の故郷”という感じですか?

 故郷そのものと言っていいです。すっかり青森の虜ですから。そのうち、移住したいですもん。

──夢が弘前の「居酒屋 土紋」で働くことですよね? 本には土紋の2代目になりたい、と書いてありますが

 やれたらやりたいですよ~。でも、僕の覚悟はもちろんのこと、まずは大将夫妻に2代目として認めてもらわないと始まらない。

──「土紋」を知ったのはいつなんですか?

 2回目の青森です。弘前のアップル放送というラジオ局のリスナーイベントに呼ばれて、料理教室をやったんです。

 それで、その日の夜、晩ごはんを食べた後にホテルに帰ろうと思いながらひとりで弘前の町をぶらぶらしていたら、ツアーに招待してくれた県庁の方とバッタリ!「土紋ってすばらしい居酒屋があるから」とそのまま連れて行ってもらって、おいしい日本酒をたくさんいただいて。それが初「土紋」でした。