コロナショックの影響で日本経済は大不況に陥る可能性が出てきた。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「庶民がすべきことは借金をせず、節約して現金をキープすること」と説く。しかし、“節約”にも「トクだと思わされて、実はソンしている」という落とし穴が隠れているのだそう。オイシイ話のウソを見破る目を身につけよう!

PART1:生活の中にある落とし穴

「電子マネー派はトク、現金派は時代遅れ」の落とし穴

 6月30日までキャッシュレス消費者還元事業が実施されているのは周知のとおり。ピッとやるたびに2%から5%が値引きされていくのだからおトクに決まっているのだが、意外な落とし穴がある。〇〇ペイと呼ばれる電子マネーの決済額は少額で、しかも頻繁に使われる。オートチャージ機能がセットでつけられているのが一般的だから、お金を使ったという実感がないままに決済を繰り返し、いつの間にか高額の出費になってしまうのだ。

イラスト/上田惣子

「外国にキャッシュレスが多いのは、現金を持っていると危険だから。治安のいい日本でキャッシュレス化は必要ないと思いますよ。お金の管理が苦手で、毎日いくら電子マネーを使ったのかを把握できない人は、現金払いがオススメ。電子マネーを持つなら、自分がよく買い物をする店で使え、前もって券売機やコンビニATMでチャージしてから使うセルフチャージできるカードにすること」(荻原さん、以下同)

「カードや電子マネーでポイント稼ぎ」の落とし穴

 カードで使う金額は、ポイント稼ぎの思いもあって、現金払いのときよりも2割くらい多くなると言われている。仮に毎月の食費が4万円くらいの場合、カード払いで2割増えれば、8000円くらい多く使ってしまうことになる。夕飯の買い物で、予算を1日に2000円と決めたら、千円札2枚を財布に入れて出かける。そうすれば必要なものを吟味し、余分なものは買わなくなる。

「カードは個人情報が漏れる」の落とし穴

イラスト/上田惣子

 何種類もの電子決済サービスに加入するのは避けたい。還元ポイントにつられて何種類もの電子決済サービスに加入すればするほど、あなたの口座やクレジットカード情報が漏れてしまうことになる。「私は外国やネットショッピングで使う銀行系カードと、電子マネーとしても使うスイカカードの2枚しか持っていません」

「生活費はまとめて引き出す」の落とし穴

イラスト/上田惣子

 食費などの生活費の月6万円を、どうやって引き出していますか。給料日直後に6万円を引き出すと、気が大きくなりプチ贅沢してしまいがち。曜日や時間を考えずに引き出すと、手数料1回220円で5回下ろせば1100円とバカにならない。

「例えば給料日が25日なら、5のつく日に2万円ずつ平日の日中に引き出す。6万円で1か月生活するよりも、2万円で10日間生活するほうが、計画的に使えるはずです」

「半額セールだからまとめ買いしておく」の落とし穴

イラスト/上田惣子

 半額セールで気をつけたいのが、消費期限が迫っている肉や魚が結構あること。たくさん買い込んで、食べきれないということも。そもそもスーパーが値引きする時間は、空腹になる時間と重なっていて、ブレーキがきかなくなってしまうのだ。

「飴を口に放り込むと空腹感がおさまり半額セールでも理性的に買い物ができますよ」

「ちょっと帰りにコンビニへ」無意識消費の落とし穴

イラスト/上田惣子

 私たちの生活に欠かせないコンビニに関する調査で、コンビニを週に2~3回利用するという人は約23%、4~6回が約16%、毎日利用する人は6%、つまり半数近くが頻繁にコンビニを利用しているということだ。1回の利用額は300~500円未満で、次いで500~1000円以上。なんとなくコンビニに行き、週に2500円を支払うと、月に1万円、年間で12万円以上が無意識に消費されていることに。「そのお金を節約すれば、かなり高価なものが買えるはずですよね」