長引く自粛要請でストレスはたまる一方。そんなときは「思いっきり泣くのが効果的」と涙活プロデューサー。泣くことはコロナ対策にもなるし、気持ちもスッキリして一石二鳥なんです。

ポイントは“時間”と“泣きツボ”

「私は涙活を始めてから7年間、1度も風邪をひいていません」

 と話すのは、『涙活』の発案者で涙活プロデューサーの寺井広樹さん(39)。『涙活』とは、意識的に涙を流すことによってストレスを解消する活動のこと。2013年に寺井さんが発案し、OLなどを中心に人気が広がっていった。

週に1回でも意識的に泣くことで、細胞レベルで免疫力が高まるという研究結果を脳生理学者の先生も発表しています。笑うよりも泣くほうがストレス解消になり、ひと粒の涙でその効果が1週間も続くんです。ほかにも『敵意の半減』、『睡眠が深くなる』、『集中力が高まる』などの効果が得られることがわかっています」(寺井さん)

 涙はストレスによって誘発されるが、涙を流すことでストレス緩和になる、と東邦大学医学部名誉教授で脳生理学者の有田秀穂先生も著書にまとめている。

 泣くだけでそれほどの効能があるとは! コロナ疲れが蓄積しているこの時期にぴったりな涙活だけれど、寺井さんが始めたのは2013年。なぜ、涙活に注目したのか。

「私は、離婚する男女に結婚式とは逆の『離婚式』というセレモニーを企画・プロデュースしていました。そのときに元新婦側の女性はまったく泣かないのに、元新郎側の男性たちがオイオイと泣くんです。でも泣いた後にすごくスッキリとした表情をされる方が多くて、泣くのはいいことなのかもしれない、と研究を始めました。私自身、5年間くらい泣いていなかったんですが、久々に泣いてみようと思ってYouTubeで泣ける動画を見て泣いたら、すごくスッキリして気分がよかった。それがきっかけですね」

 寺井さんが主催し、泣ける場所として薄暗くリラックスできる空間を提供する涙活セミナーは、新型コロナの影響により活動自粛中。ならば、家にこもってひとりで泣く涙活を行うしかない。ポイントは“時間”と“泣きツボ”だと寺井さん。

朝よりは夜、週の初めよりは週末のほうが泣きやすいです。よりストレスがたまっているときのほうが効果的だから、と普段は言っているのですが……。コロナ自粛の今でしたら、みなさんいつでもストレスフル状態でしょうから、昼夜を問わず涙活をおすすめします。

 あとは自分が泣けるツボを知ることです。私はおばあちゃん子だったので、『祖父母モノ』が泣きのツボですね。一方で、『動物モノ』などを見てもそんなに泣けないので、各人それぞれの泣きツボを知ることは重要です

 人の泣きツボには大きく分けて、『親子モノ』『子どもモノ』『動物モノ』『悲劇モノ』などがあるという。でも、自分の泣きツボって、どうやって見つけたらいいのだろう。

「最もお手軽なのは、YouTubeなどにたくさんあがっている“泣ける動画”。どれも数分の短いものなので、それらをあさって、自分に刺さるものを探すといいのではないでしょうか」(寺井さん)