「気持ち悪くてすぐに消去しました。いま思えば証拠として取っておけばよかった。男は妻子持ちで今も大手出版社に勤めています。私は結局、違う出版社に入社することができましたが、同期入社の飲み会などで、その男の会社の人と顔をあわすたびに動悸が激しくなるんです」

 編集者のセクハラ報道は、

「まるで私のようだと思いました。家に来るまでの押し問答がそっくりで。しかも勇気を出して告発した女性ライターに、侮辱するようなことをM氏が言っているというニュースを見て怒りがこみあげました。私も告発したら、逆にセカンドレイプをされるのだとわかっていますが、いつか勇気が出たら告発したい。これを読んだら自分のことだとわかるはず。震えて待ってろよ、とあの男に言いたい」

 と、酒井さんは前を向く決意をした。

 被害者たちの声は、ついに司法をも動かした。

 フラワーデモ開催のきっかけともなった、父親による性的暴行事件は今年3月12日、名古屋高裁が逆転有罪判決を言い渡したのだ。

 前出の北原さんは、

1年前は無罪判決を批判するな! 批判するほうがおかしい、と言われていた。でもそれは違うよと思っている人の声が全国へと広がった。被害者たちの声が、1年かけて“性暴力は有罪で当然”という空気に変えていったんです

 フラワーデモは今後も続いていく。性的な安全と自由が侵されることなく、安心して生きられる社会への実現を目指して──。

デモ主催者で作家の北原みのりさん
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