夫婦問題に子どもとの関係、老いていく親──心配が尽きない主婦世代。こんなとき、何をどうすればいい? どこで誰に相談すればいいの? トラブル別に役立つ法律、寄り添う制度を辣腕弁護士に聞きました!

家庭のトラブル編

夫に性病をうつされた! 慰謝料、請求できますか?

「性病をうつすのは傷害にあたり、治療費や慰謝料を請求できる可能性があります。額はケースバイケースですが、数十万円程度だと思います」

 そう教えてくれたのは、インテグラル法律事務所の小沢一仁弁護士。夫に性病をうつした女性にも、慰謝料を払わせたいんですけど?

「妻に性病を直接うつしたのは(夫と性交渉をした)女性ではないので、うつしたことを理由に慰謝料請求をするのは困難と思われます」

 ただし、性病をきっかけに不倫が発覚、離婚に……ということになれば話は別。

「不倫は、不倫をした夫と相手による共同不法行為なので、両方に慰謝料を請求できます。結婚期間や子どもの有無などによって変わりますが、夫と不倫相手、合わせて200万円前後が目安ですね」

養育費を払わない元夫を「逃げ得」させない方法は?

「子どもを元妻が引き取ったとしても、元夫にも親として子どもの生活を支える義務があります。当然、養育費を払わなくてはなりません」(小沢弁護士

 それなのに、厚生労働省の'16年調査によれば、養育費を受け取っているシングルマザーは、たったの24%という世知辛い現実……。がっちり養育費を受け取るには、どうすれば!?

イラスト/シライカズアキ
イラスト/シライカズアキ

離婚の話し合いで養育費について決めて、公正証書に残しておくのがおすすめです」

 公正証書とは公証人に作ってもらう公文書で、法的な拘束力があるので心強い。

「公正証書には、養育費の金額や支払い日、期間などのほか“強制執行認諾文言”(支払いが滞ったら、給与を差し押さえられてもかまわないという手続き)や、転職・転居したら連絡するといった項目も入れることをお忘れなく」

 養育費は子どもの権利。1度は断った場合でも請求可能なケースがあるので、まずは弁護士に相談してみて。

跡取りだけ優遇「孫差別」をやめさせるには?

 跡取りの孫だけを大事にするジジババ。小遣いや入学祝いなどで、ほかの孫と露骨に差をつけるのは不公平! やめさせたい!

「跡取りがいちばんというのは高齢者に多い価値観ですが、無理やり変えさせることはできないもの。小遣いに差をつけられるくらいなら、我慢するしかないのが現実です」

イラスト/シライカズアキ
イラスト/シライカズアキ

 そう話すのはシニアをめぐる問題に詳しい、法律事務所おかげさまの外岡潤弁護士。教育費の援助で大きな差をつけられたら?

「孫の教育は祖父母の義務ではないため、平等な扱いを強いることはできないんです。例えば長男優遇など、きょうだい間で金銭面のひいきがあれば、相続の際に差額を精算するよう主張できるのですが」

 もちろん、法的にNGな「孫差別」もある。

「跡取り以外の孫にご飯を食べさせない、叩く、暴言を吐くといった行為は、児童福祉法や虐待防止法の違反に。許されるものではありません」