登録商標、その範囲の広さ

「25周年を最後に引退したはずなのに、グッズのロゴの数字が毎年カウントアップされていくんです。今年は“27”なんですが、何か違うのでは……と、ファンの間でも、引退後の展開を疑問視する声は多いですね」(安室ファンの女性)

 着々と復帰計画が進むなか、安室の個人事務所にも動きがあった。

「8月中旬、事務所が申請した商標登録が特許庁に受理されました。芸能人はさまざまな形で権利収入が入ってくるので管理するのは大切な仕事ですが、引退後に新たに登録することは珍しいです」(前出・レコード会社関係者) 

 新たに登録されたのは、ローマ字の“namie amuro”。商標登録をすることによる、権利者のメリットとはどんなことなのだろう。

商標とは、要するに“ブランド名”または“マーク”です。商標登録を行うことで、そのブランド名やマークをビジネスで独占的に使用できるようになります。すなわち、他人が勝手に紛らわしい名前やマークをビジネスで使用できなくなります」  

 そう話すのは、テックバイザー国際特許商標事務所・代表弁理士の栗原潔さん。

 安室のような芸能人が、名前(芸名もしくは本名)を、商標登録するメリットについて、こう続ける。 

「“安室奈美恵”という名前には、言うまでもなくブランドとしての価値がありますので、他人が勝手に紛らわしい名前を使用しないように、商標登録する意義はあります。アーティストが自分の名前をブランド名として商標登録するケースもよくありますね」(栗原弁理士、以下同)  

 今回の安室の商標登録で注目すべき点は、その登録の範囲の広さ。商標登録には、“商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務”という項目がある。商標を“何に使うのか”ということなのだが、その範囲が非常に広範囲に及んでいるのだ。 

「商標登録では、商標をどのような商品やサービスに対して使うかを指定して出願します。広めに指定しても不利益はないので、可能性が少しでもあれば広範囲に指定しておくことは一般的です」  

 このたび受理された商標登録には、 

《著作権の利用に関する契約の代理又は媒介》 

 のほか、興行の運営に関する音楽的な項目に並んで、こんな項目が登録されている。 

《美容、理容、あん摩・マッサージ及び指圧、カイロプラクティック、きゅう、柔道整復、整体、はり治療》 

《宿泊施設の提供、宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ、飲食物の提供、会議室の貸与、展示施設の貸与》 

 ゆくゆくは、エステやリゾートホテルの経営に乗り出す可能性もあるのだろうか。