今年の夏ドラマは未曾有のコロナ禍で、放送の延期や中断、撮影の見合わせなどで大混乱! 昭和・平成のテレビを見つくしてきた中年トリオが今期ドラマをぶった切る!!

座談会メンバー

ららら……昭和生まれの地方在住ドラマウォッチャー。ネット上でエスムラルダによって発掘された期待の新人。最近『青が散る』(宮本輝原作)のドラマ版豪華だったよなぁとよく思い出している。

エスムラルダ……昭和生まれのドラァグ・クイーン、ライター、脚本家。小学生で大河ドラマ『おんな太閤記』や『おしん』(いずれも橋田壽賀子脚本)にハマり、以後、ドラマフリークに。

成田全……昭和生まれのライター。ドラマの現場取材や記事を数多く担当。人生で初めて自分の意思で見たドラマは、石井ふく子プロデュース、水前寺清子主演の『ありがとう』(平岩弓枝脚本)。

◆ ◆ ◆

TBS系ドラマ、強し!

ららら これほどの状況は、ドラマ史上初ですよね。

成田全(以下、成田) 日本の連続ドラマは1、4、7、10月からスタートして10話前後を約3か月かけて放送、その間はほかのドラマと重ならないよう出演者が調整されてるんですが、そのすべてがコロナ禍でぐちゃぐちゃに。そんな大変な状態で制作されているみなさま……本当にありがたいね。

エスムラルダ(以下、エス) いやもうホントに! ということで、今回は「7月ごろから放送されていたドラマ」というざっくりしたくくりでやっていきます! とにかくこの夏はTBS系が面白いものばかり! 

 特に『MIU404』(TBS系)は『アンナチュラル』と同じ野木亜紀子の脚本、同じ演出チームで、前評判も高い作品。毎回、事件が起きて解決するんだけど、現実社会で起きている問題を決して声高にならず、象徴的に描いていて、深く考えさせられるの。さらに謎の組織が絡む縦軸の物語もあって、次週への引きも本当に強い!

ららら 前半の脚本を書いたのはだいぶ前だそうですけど、“今”起きていることを予測するかのように書いてますよね。

エス いいドラマって、不思議と今の問題から半歩先の未来をしっかりと描くんだよね。そして視聴率が20%超えで絶好調の『半沢直樹』(TBS系)はとにかく爆発力! 出てくるみなさんの「顔面筋」の動きにも釘づけ!(笑)

ららら やはり『半沢』は大和田取締役の香川照之が人気のキモですよね。味をしめたわけではないでしょうけど、今回は歌舞伎役者が多く出演されてますね。

成田 前作から引き続き登場の片岡愛之助、香川と従兄弟の市川猿之助、そして若手の尾上松也、さらには劇団☆新感線の古田新太など劇団出身の役者まで大挙して出演し濃度アップ! その濃さの中に及川光博、上戸彩、賀来賢人、吉沢亮など清涼感のある人を投入して濃さを中和(笑)。歌舞伎や舞台演劇のような大げさ演出もあって、見ているほうも楽しいですが、出演者もスタッフも楽しそうですよねぇ。

ららら こんなにも人の顔の筋肉って動くのかと驚きますね(笑)。勧善懲悪なストーリーで毎回、最後に悪者が成敗される『水戸黄門』的スッキリ展開もいい!

エス それ、大事!(笑) しかも『半沢』はカタルシスの後にひと悶着あって、次回への引きも強いんだよね。ドラマ後半で登場した国会議員役の江口のりこもいいし、ラスボスの柄本明との対決も楽しみ!

アクの強~い面々が勢ぞろい。勧善懲悪で日曜の夜にスッキリさせてくれるのも人気の秘訣? 左から香川照之、堺雅人、柄本明

ららら 筒井道隆の悪役弁護士はこれまでのアクの強い出演者とは違う変化球なキャラで、どう成敗されるか楽しみです(笑)。それにしても『半沢』も『MIU』もネットで実況映えする作品ですよね。脚本と物語で視聴者を引きつける『MIU』のようなドラマと、『M 愛すべき人がいて』のようなツッコミで盛り上がるドラマがありますけど……。

エス 『半沢』はどちらの要素もある(笑)。