会議は“松本人志方式”がカギ

 先日、私の会社で行われたオンライン会議でこんなことがありました。お世辞にもコミュニケーションがうまそうとは言えない、失礼ながら少々オタクっぽい女性が、自己紹介を始めました。どうなるのかと思っていると、彼女は自分で言ったことに、自分で笑ったんです。その後も、自分の話に自分で笑いながら、場を進行させていきました。

 その結果、“おもしろい話”の空気が醸成され、なんとなく惹きつけられて聞き入ってしまいました。おそらく、彼女は対面だと、緊張して自分のペースは出せなかったはずです。しかし、聴衆の反応が少ないことで、普段の自分の空気を出すことができたのでしょう。このようにオンラインでは、簡単に話し手が空気を作ることができるんです。

 自分の話に自分で笑うなんて……と思う方もいるかもしれませんが、実は、ダウンタウンの松本人志さんもこの話し方をしています。彼は、誰よりも先に自分で笑い、スタジオの空気を自分のものにしています。自分で笑うことは“これはおもしろい話です”というメッセージなのです。

大勢の人の前に立つよりも、自分の部屋にいるほうが居心地がいい、いわゆる“オタク気質”の人も、これからは、自分の部屋が会議室であり、居酒屋になります。相手の目を見なくてもいいですし、メモやカンペをパソコンに貼ってもバレないなど、人前で話すことが苦手だった人にも有利になります。