デビューから、ただひたすらスポットライトを浴び続けるのが芸能人! というわけでもありません。事務所にもファンにも期待されず、辛酸をなめ続け、ようやく人気者になった人たちも多いもの。彼らがブレイクした要因を解析しました! (取材・文/寺西ジャジューカ)

 タレントや俳優が売れるには、所属事務所からのバックアップが必要。つまり、“期待の存在”じゃないと世に出るのは難しい……と思われがちだが、決してそうとは限らない。さほど期待されていなかった、立場でいえばドラフト外だったのに、自力で大化けした芸能人、実はけっこう多いのである。

 それを身をもって証明した芸能人たちについて、芸能事情に詳しいライターの鈴木旭さんに解説してもらった。

芸人から愛されてきた人は生き残る

 まず、芸歴30年を迎え、“癒し系おじさん”として目下ブレイク中のずん・飯尾和樹。しかし、同じ浅井企画所属で同期のキャイ~ンが順調に売れていったのとは対照的に、潜伏期間は長かった。

「飯尾さんの場合、お笑い芸人というよりも、場を和ませるタレントとして、徐々に認識されていった、という感じでしょうか。でも、彼に振ると100%面白く返してくれるし、ダウンタウン松本人志さんが、自身がメインの番組である『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)で名指しで期待を寄せるなど、同業者の間ではずっと芸人としての評価は高かったのです」(お笑いに詳しい芸能記者)

ずん・飯尾和樹 撮影/週刊女性写真班

「昨年末の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で決勝に進出した錦鯉もそうですが、芸人から愛されてきた人は生き残ると思います。そうでないと、ライブにも呼ばれづらいし、芸の世界では忘れられていきますから」(鈴木さん)

 ただ、愛されるには理由がある。芸人としての実力もさることながら大事なのは人柄だ。飯尾もご多分に漏れない。

「飯尾さんの後輩が、あるときライブの打ち上げで自分の彼女(後の奥さん)をダシにボケたんです。すると、彼は『お前、最低なことするな。苦労をかけてきた人をネタにするようなやつは芸人じゃない』とすごく怒ったらしい。でも、その後のフォローも厚く、その後輩は“飯尾さんを心から尊敬している”と言っているそうです」(テレビ関係者)

 同じくアンジャッシュ・児嶋一哉のブレイクも芸人間の絆が足がかりだった。

「相方の渡部(建)さんがさまざまな資格を取得したりグルメに舵を切り始めたころでも、児嶋さんは地道に単独ライブを行っていました。だから、芸人からの信頼度が高かった」(お笑いに詳しい芸能記者)

 児嶋といえば、名前を間違えられ「児嶋だよ!」とキレながら切り返すやりとりがおなじみだが、その原点はアンタッチャブルの“ザキヤマ”こと山崎弘也が事務所ライブのエンディングで「からの~?」「そして?」と約20分むちゃぶりし続けたことだとか。当時の児嶋はプライドが高く、ザキヤマのこの仕打ちにマジ切れして幕が下りたと同時に殴りかかったそうだ。

「でも、昔から舞台裏では、おぎやはぎやバナナマンにもイジられる存在だったらしいんです。テレビでそのやりとりがウケ始めて、そのうち児嶋さんが『これが俺なんだ』とイジられることを受け入れるようになり、それが面白いキャラとして世間に受け入れられるようにもなっていったのでしょう」(鈴木さん)

 一方、相方の渡部はお笑い芸人感を薄くしていく方向に活路を見いだしたが、その後、明るみになった不倫騒動でイメージ転落……。コンビ間で明暗を分けた。