人と会う機会がめっきり減少し、ツールもメールやLINEがメインという人も増えている今。電話がかかってくると話につまったり、初対面の人に話しかけられるとドキッとしたり、会話が前より苦手になっていませんか。会話のプロが、すぐに使える実践テクニックを教えます。

コミュニケーションは身に付く

 コロナ禍で人と会う機会が減り、もともと苦手だったコミュニケーションがより苦痛になった……。そんな悩みを抱えている人は少なくない。実は、ニッポン放送の人気アナウンサーの吉田尚記さんも、今の職につくまではコミュニケーションが大の苦手だった。

「僕は人と話すことも空気を読むことも苦手なコミュ障(コミュニケーション障害)だったんです。でも、たまたまアナウンサーになってしまい、コミュニケーションの技術を身につけざるをえなくなったんです」

 吉田さんは約20年のアナウンサー生活の中で、試行錯誤をしながらコミュニケーション技術を習得してきた。

質問することが大事

「これまでの経験から、コミュニケーションは“制限時間内に気まずくならなければ勝ち”というゲームなのだと実感しています。コミュニケーションのちょっとした技術を知っていれば、誰でもこのゲームに勝つことができます」

 では、ゲームに勝つためのコミュニケーション技術とは?

「会話が苦手な人というのは、相手に質問ができていないんですね。まずは疑問形で話すことが大切です。また、“えっ!?”“あっ!”といった相づちで驚きの気持ちを表現することも会話を続けるコツです。さらに、人は第一印象が大事なので、好感を持たれるような自己紹介ができるとその後のコミュニケーションが取りやすくなると思います」

 また、こうしたコミュニケーションの大前提となることがある。

“話しかける勇気”と“心外なことを言われてもヘコまない”という心構えです。この2点を精神的に乗り越えれば、あとは技術を駆使してコミュニケーションという名のゲームに勝つことができます」