“5分間野菜ファースト”で最低限守りたい食事のルール

1. 最初に食べる野菜の量はこぶし1つ分

「厚生労働省では、1日に摂取する野菜の目標量を“350g以上”としていますが、わかりやすくすると、毎食およそ握りこぶし1つ分。トマト1個、きゅうり1本分程度です。そのまま食べられる野菜は、用意の手軽さだけでなく、噛みごたえもあるのでいいですね」(梶山先生)。ラタトゥイユやお浸しなどの常備菜を作り置きしておくのもおすすめ。

「食事の30分前にトマトジュースを飲むだけでも食後の血糖値の上昇を抑制できます」(今井先生)

2. お菓子を食べるならカカオ70%以上のチョコ

「おすすめは、ひとかけらごとに個包装されたカカオ70%以上のダークチョコレートを3~4枚、油や塩をまぶしていないナッツ20粒。洋菓子よりも、粒あんを使った和菓子のほうが、豆の食物繊維がとれるのでおすすめ」(今井先生)。とはいえ、“午後3時”のおやつタイムを守れば、基本的に好きなものを食べてOK。

「朝食や昼食を菓子パンだけですませるのはダメですが、おやつならセーフ。どうしても食べたい人は午後3時に」(梶山先生)

3. ポテサラ、マカロニサラダはいちばん最後に

「見落としがちですが、じゃがいも、マカロニ、春雨は糖質。主成分が糖質で、野菜はほんの少しですから、“サラダ”と名前がついていても、ポテトサラダやマカロニサラダは最後に食べる必要があります」(梶山先生)。豆類も大豆だけがタンパク質の仲間で、ほかは炭水化物なので要注意。

「“三角食べ”ではなく、コース料理のように一品ずつ順番に食べるのが基本。最後に食べる料理は自分から遠い場所に配膳しておくといいですよ」(今井先生)

教えてくれたのは……

梶山靜夫先生 ●「梶山内科クリニック」院長。糖尿病専門医・指導医。食べる順番による血糖値の変化に着目し、20年以上研究を継続。糖尿病の食事療法として通称“野菜ファースト”を考案する。

今井佐恵子先生 ●京都女子大学家政学部食物栄養学科教授。食事の摂取時間や方法と血糖変動の関連等を研究。病院での管理栄養士の経験を生かし、梶山氏と糖尿病の食事療法の指導、研究も行う。

 梶山先生と今井先生との最新共著『たった5分!食べ方を少し変えるだけで、「病気にならない!」「好きなものを食べ続ける!」をかなえる本』(主婦と生活社)では、より発展した食事療法を提案。

〈取材・文/河端直子〉