12月18日、神田沙也加さんが突然死した。35歳という若さでのまさかの出来事に、世間は悲しみに暮れている。

 主演ミュージカル『マイ・フェア・レディ』出演のため滞在していた札幌市内の宿泊先のホテルの高層階から転落し、亡くなった。部屋に3か所ある窓のいずれかが開いていて、警察は高層階の部屋から転落した可能性が高いとし、事件性はないとみている。遺書などは残されておらず、なぜ落ちてしまったのかについてはニュースやネットなどでさまざまな憶測も飛び交うことに。20日に放送された『バイキングMORE』(フジテレビ系)でも司会の坂上忍は「何だろう。原因って知る必要があるのかなっていう気がしているというか」とのコメントを残した。転落する直前、父・神田正輝に電話をかけていたことが明かされている。

「沙也加さんに近しい関係者によると、神田さんが出演する生放送『朝だ! 生です旅サラダ』(テレビ朝日系)の番組が終了後のした午前10時ごろ、沙也加さんから“誕生日を前祝い”するために電話かけていたといいます」(スポーツ紙記者)

「娘の舞台、観にいってやってよ」

 神田正輝と歌手・松田聖子の長女として誕生した沙也加さん。2001年に芸能界デビュー、ディズニー長編アニメ『アナと雪の女王』(2014年)の日本語吹き替え版で王女アナの声を担当したことが話題に。その後も歌に演技に、と親譲りの才能を発揮してきた。報道によれば正輝は20日に札幌入り、沙也加さんと悲しみの対面を果たすと報じられている。記者たちの問いかけに対し、「ありがとうございます」と気丈に語っていたとも──。

 神田正輝を取材し、面識のある芸能ジャーナリストの佐々木博之氏は、10年ほど前、沙也加さんと対面したときのエピソードについてこう話す。

「私が大阪で仕事していて 神田さんが『旅サラダ』で大阪にいらしていたときのこと。たまたま泊まっているホテルが同じで、沙也加さんを連れているときにロビーですれ違うと、『佐々木さん、娘です』と紹介してくれたんです。『もちろん知っていますよ』と返すと、『だって“大阪で若い女性と密会していた”なんて書かれちゃうかもしれないし』とおどけていらした。あまりベッタリな親子関係ではなかったそうですが、時間があうときに神田さんと沙也加さんは食事をしたそうですよ」

 佐々木氏はその昔、取材で正輝と聖子、そして父親に抱かれた生後10ヶ月の沙也加さんが自宅を出てきたところを取材したことがあるという。ホテルで遭遇したときは、そのことについても触れたようで、

「冗談半分で沙也加さんに“小さいころに会っているんだけど覚えていないよね?”と問いかけてみたんです。“えっ、そうなんですか”と明るく反応してくれました。芸能記者の私にも隔てなく、オープンに話をしてくれましたね。

 去り際に神田さんは『娘の舞台、観にいってやってよ』と残して、沙也加さんとどこかへ行かれました。ふたりは親子という関係性を超えたところもあり、“仕事の面で互いに尊敬し、刺激しあっている”と聞きました。今回の沙也加さんの訃報はただただ悲しいとしか言いようがありません」(佐々木氏)

 2018年に出版された沙也加さんの著書『Saya Little Player』には神田からの直筆メッセージが寄せられている。そこに書かれているのはこんな言葉だった。

《パパが何処(どこ)に居ても 見えなくても 沙也加を愛しているよ》


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