ボツになった商品のその後

 新商品が誕生する一方でボツになる商品も……。

「印象的だったものはブラジャーの紐そのものに磁石が入った商品。ただ、これは短命で終わってしまいました」

 自分では貼りにくい背中もケアできるという発想はよかったものの、商品は紐をつけ替えて使わないといけなかった。そのためつけ替えのハードルが高く、あまり受け入れられなかったという。ただし、その発想はピップエレキバンインナークリップへと受け継がれた。

インナークリップ。現代人のニーズに合わせて考案されたもの。インナークリップはブラジャーに挟むタイプで、肌への負担も少ない(管理医療機器認証番号:301AGBZX00015000)
インナークリップ。現代人のニーズに合わせて考案されたもの。インナークリップはブラジャーに挟むタイプで、肌への負担も少ない(管理医療機器認証番号:301AGBZX00015000)
【写真】実在する比布駅。CM放送当時1か月で1万人以上が訪れたことも

ユーザーのエレキバン愛

「発売当初のCMは確かにインパクトがありました。ですがただの一発屋で終わらず、リピーターも多く、暮らしに根づいたのは、使用感はもちろんですが、手軽さが取り入れやすかったと考えています。

 それと口コミ。売り上げに苦戦していた時期でも“効いた”という声が数多く届けられ、お礼の菓子折りを送ってくれる方もいました

 熱いファンの存在は冬の時代、ピップエレキバンを存続させるというモチベーションにつながっていったという。

「50年間愛され続けてきたアイテム。そこから商品への自信や利用者への感謝の思いを感じています。

 商品は常に進化を続け、新たな時代でも暮らしに欠かせないアイテムになれるようにアプローチを続けていきたいです」