食べすぎの原因は「ニセの食欲」

身体が必要とする本来の食欲に従っていれば、食べすぎは起こりませんが、ストレスや不規則な生活習慣で脳内ホルモンの分泌が乱れると、“ニセの食欲”が生まれて、食べすぎてしまいます

 ニセの食欲を引き起こす脳内ホルモンは複数あるが、特に注意すべきなのが、セロトニンの不足と過剰なドーパミンだという。

セロトニンは、幸せホルモンと呼ばれ、心を安定させ、食欲を抑える働きがあります。しかしストレスを感じると不足するため、脳はセロトニンを手っ取り早く補うために糖質を欲するようになります

 イライラしたときに甘いものが食べたくなる現象は、セロトニン不足が原因なのだ。

ドーパミンは、やる気や向上心を高める快楽ホルモンで、セロトニンによって分泌が調整されています。ですからセロトニンが不足すると、ドーパミンの分泌が過剰になり、食欲を暴走させて食べすぎを引き起こします。このほかにも睡眠不足は、過食ホルモンのグレリンを増加させるため要注意です

 脳内ホルモンの乱れによる食べすぎを防ぐには、カレンダーを見直してまずは自分の食べ方のクセに気づくことが大事。

「食べ方のクセというのは、無意識に習慣化している食行動のこと。例えば、仕事が始まる前日の日曜はたくさん間食してしまうとか、夜勤明けはドカ食いしてしまうなど、ストレスによる食べすぎが見えてきます。また、食後に必ずデザートを食べる、家族の残りものを平らげているといった習慣もわかります」

 食べ方のクセは、体質や性格、ライフスタイル、家族構成、ストレスなどによって人それぞれに異なる。カレンダーの記録を見直して自己分析をすることで、自分のクセを把握できるのだ。

「自分はあまり食べていないと思っていてもカレンダーをつけると想像以上に食べていたという人が多くいます。自分が食べすぎて太っていることを認識する必要があります」