目次
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ー “男同士の付き合い”が差別を助長
Page 2
ー 女性議員による女性蔑視発言も
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ー 自分が差別したことを認めない
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ー 政治家による問題発言の一例 ー 女性差別と批判を集めた企業による広告や発言

「田舎から出てきた右も左もわからない若い女の子を無垢、生娘のうちに牛丼中毒にする」「男に高い飯をおごってもらえるようになれば、絶対に(牛丼を)食べない」

 牛丼チェーン「吉野家」の常務取締役企画本部長(当時)の伊東正明氏が、早稲田大学の社会人向け講座で「生娘をシャブ漬け戦略」と称し語ったこの発言は、SNSを中心に大きな批判を浴びた。発言の2日後、吉野家ホールディングスは「人権・ジェンダー問題の視点からも到底許容できない」と、伊東氏を取締役から解任している。

 政治家や企業で責任ある立場の人間が女性蔑視や差別発言を公の場で行う例は、これまでにも数多くあった。近年では、社会的地位を失うなどの厳しい処分を受けるケースも多くなってきたとはいえ、同じような「炎上」が繰り返されているのが現実だ。

 原因はどこにあるのか。『これからの男の子たちへ』(大月書店)などの著書がある弁護士・太田啓子さんに話を聞いた。

「伊東氏の発言は、本人は軽いウケ狙いのつもりだったのでしょう。こうした“冗談”で笑いがとれると思ったのでしょうが、その場に女性もいる意識はあったのだろうか。“冗談”含め女性を貶めるようなやり方で、男同士の連帯を強める。そのあり方を『ホモソーシャル』というのですが、これは本当に厄介です」(太田さん、以下同)

“男同士の付き合い”が差別を助長

 男性同士で身近な女性の品評をしたり、性的な冗談を言い合ったり。飲んだあとに2次会と称して仲間で風俗に行ったり。こうした「女にはわからない男同士の付き合い」は、差別が生成される温床になるだけでなく、それを望まない男性にとってはハラスメントや暴力にもなりうる。

「男の子のスカートめくりも、スカートの中身を見たいというより“そういうことをやるのが男の子なんだ”と、男同士で盛り上がるようなところがありますよね。この社会では男性であるというだけで、本人が望む望まないにかかわらず、ホモソーシャル的なものに巻き込まれてしまう。差別を助長するだけでなく、自覚しにくくさせている大きな原因だと思います」