「夢を追う夫」を支える妻

 浮き沈みの激しい世界で精神的な支えになっているのは4年前に結婚した妻の麻美さん(42)だ。Sakuさんは「今まで出会った人の中で、いちばんメンタルが安定していてブレない人」だとベタ惚れだ。3歳になる娘もいるが、日本にいる妻子とは離れ離れの生活が続いている。

 Sakuさんから連絡が来るのは舞台の前後が多い。落ち込んでいると、麻美さんはこう励ますそうだ。

「大丈夫、大丈夫だよ」

 麻美さんに「夫が夢を追うことに不安はないのか」と聞くと、まるで意に介さず明るく答える。

「うちのダンナに限らず、すべての人はやりたいことをやるのがいちばんいいかなと思っているので。何をやっていても不安が出るときは出るので、それを心配するよりは好きなことをやってくださいという思いがあります」

 妻のほかにも、デーブさんや日高さん、草野球チームの監督、コメディアン仲間など、Sakuさんの周りには応援団がたくさんいる。いろいろな人に助けられて、ここまでやってきた。皆に愛される魅力はどのへんにあるのか。長年の友人である前出の初馬さんはこう表現する。

「無邪気なところですかね。少年のようにまっすぐだし、いつも目をキラキラさせて話してくれますから。自分を曲げずにこだわりを持ち、夢に向かって一直線に走っている姿勢というのも、人を惹きつける力になっているのではないかと思います」

 Sakuさん自身は、アメリカで夢を追うのは大変だけど楽しいと笑う。

「精神的には日本よりはるかにサポーティブです。出る杭は打たれないし、失敗する可能性があることでも“やれやれー”と応援してくれる。僕みたいに無鉄砲で、後先考えずにやるタイプの人間には合ってますね」

 コロナで一時期閉鎖していた劇場も2021年4月には全面再開し、今では年間400本のステージをこなしている。

「野球で例えたら、もうすぐメジャーリーグの打席に立てるところまで来たという実感があります。でも夢に手が届きかけて届かない人もいるので、今が大事な時期です。フジロックでスベっている場合じゃないですよね(笑)」