目次
Page 1
ー 肩甲骨ダイエットで一世を風靡
Page 2
ー ガジュマルの森が自分の庭の“自然児”
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ー 人気企業のNTTに就職、配属は──
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ー エリート集団の中で初めて味わった挫折
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ー 人生を変えたトライアスロンとの出会い
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ー 流血とともにGETTAMANが誕生
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ー 非常識な人間として人のために働く
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ー 別世界だと思っていたテレビ番組に出演
Page 9
ー 自分の“ルーツ”屋久島への恩返し

 世界遺産の島で自然に囲まれ育った少年・サトシは不思議な“縁”に導かれ、周囲の人を巻き込みながら幸せの輪を広げていく。NTTに13年間勤務した後、健康増進事業の会社を立ち上げ、一大ブームを巻き起こした『ゲッタマン体操』を確立。高下駄履きのGETTAMANとして、走り続けるその先に見据えるものとは──。

肩甲骨ダイエットで一世を風靡

 8000人を超える観客が、食い入るようにステージの4人を見つめていた。その視線の先にいるのは『ももいろクローバーZ』。

 コンサート終盤のアンコールに、突如、派手なロックが流れはじめる。訝(いぶか)しがるメンバーたち。

「あれ?なんか聴こえる」

「これは?これはきっと」

 すると、「アローハ!」の声が会場に響いた。ステージの下から真っ白のシャツ、黒のパンツスタイルの男性が現れた。顔は真っ黒に日に焼けて、やけに白い歯が目立つ。

「GETTAMANさんだ!!」

 ステージに上がったその人は、響き渡る声で、「みなさん、サイコーですか?」

 と問いかけ、そしておもむろに、

「アローハ!完全脂肪燃焼エクササイズやりますか?」

 立ったまま両手を伸ばし、目の前で手の甲を重ねる。そして、ゆっくりと脇を締めながら左右に戻す。再び、手の甲を重ね合わせる。この時、お腹を引っ込めるように意識するのがエクササイズのコツらしい。

『ももクロゲッタマン体操』
『ももクロゲッタマン体操』

「さあ、続いて『ももクロゲッタマン体操』の由縁。両足をクロスさせます。そう、ももクロです。そのままゆっくりとしゃがみ込む。これは効きますよ。お腹、背中、下半身を一気に脂肪燃焼させるエクササイズなんです」

 そこから会場は一気に群衆エクササイズの場と化し、GETTAMANは「アロハ!」の声とともにステージから姿を消したのだった。

 GETTAMAN──

 “ココロとカラダをデザインし、生き方まで変えるヒューマンアーティスト”として活動。個人指導を受けるクライアントには、第一線で活躍する有名ミュージシャンやモデル、アスリート、財界人、経営者が名を連ねるが、指導は3年待ちといわれる。彼自身が考案した「肩甲骨ダイエット」は一世を風靡(ふうび)し、著書も多数あり、累計販売部数が80万部にのぼる。

 また、年間100本を超える講演を実施する、まさにスーパーマンのような活躍である。

 そんな彼のルーツは、鹿児島県屋久島にあった。