さらに、支給される主な条件を知っておくとなおよし。“もらえると思っていたのに……”を避けるため、どんなところに注意しておくべきか。

2~5年で時効!期限内の申請が必須

「葬祭費は、あくまで葬儀費用に対する支給なので、原則として告別式などの葬祭を行った場合のみ。火葬のみでも申請できる自治体もありますが、多くはありません」

 国民年金の被保険者に支給される遺族基礎年金は子ども(18歳の年度末までなど)がいる場合のみと条件が厳しいが、厚生年金保険の被保険者に支給される遺族厚生年金は子どもの有無にかかわらず支給がある。

 ただし、支給額は夫がもらう予定だった老齢厚生年金の4分の3で、夫の収入により金額が変わるため、意外と少ないと感じる場合も。

「夫の死後、年金事務所や年金相談センターに電話すれば、具体的な金額を教えてもらうことができます。また、すでに夫が老齢年金をもらっている年齢で亡くなった場合は、『未支給年金』があるかどうかの確認も。受け取っていない年金があれば、もらうことができます」

 何より忘れてはいけないのは、申請には“時効”が存在すること。

申請期限のほとんどが、夫が亡くなって2~5年。特に、葬祭費や死亡一時金は知らずに逃している人が多いと感じています。市区町村役場だけでなく、年金事務所など申請先もさまざまで、必要書類も少なくないので、余裕をもって申請を行ってください」

 一方、もらえるお金だけでなく、戻ってくるお金も。夫が亡くなる前に病気やケガなどで高額な医療費を払っていた場合は、「高額療養費制度」により、自己負担限度額を超えて支払った金額が払い戻される。介護サービス費を自己負担額の上限額を超えて支払っていた場合も同様。

「限度額は所得や年齢などにより異なりますが、申請期限は共におよそ2年。返金があるかどうかわからない場合でも、念のため申請して損なしです」