甘いもので症状が悪化、砂糖依存をなくす

 花粉・食物アレルギー症候群は、花粉症がベースとなっているので、それだけを治療することはできない。花粉症対策が改善の基本となる。

花粉症の症状が強い人は特に、花粉・食物アレルギーが出やすい傾向があります。まずはアレルゲンを遠ざけることが第一です。さらに、アレルギー症状を悪化させる生活習慣をやめましょう」

※写真はイメージです
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 そのひとつは、甘いものだ。

砂糖は炎症反応を促進し、アレルギーの悪化と関連していることが、数々の医学研究で明らかにされています。加えて、砂糖の代謝はミネラルやビタミンを使うことから、栄養バランスが悪くなることがわかっています」

 少し難しい話になるが、砂糖はブドウ糖と果糖がくっついた二糖類。体内でブドウ糖と果糖に分解される。

「この果糖がよくないのではないか、と最近の研究ではいわれています。そのため、『果糖液糖』が含まれる食品も避けたほうがいいでしょう」

 果糖液糖は、ブドウ糖果糖液糖、高果糖液糖、異性化糖、コーンシロップなどさまざまな名前で、ペットボトル飲料やアイスクリームなど多くの甘い食品に含まれているいわば“隠れた糖質”だ。

「今まで甘いものを断って、花粉症の症状が良くなる患者さんを多く見てきました。甘いものはお酒と同じように依存性が高いので、できればきっぱりやめること。せめて回数を減らして、お菓子を食べるのは週1回以下に制限していきましょう」

 また、強いストレスも症状を悪化させる原因に。

「適度な運動、質の良い睡眠、栄養バランスのとれた食事をとり、健康管理をすることが結果として花粉症を遠ざけます。ビタミンDを含む食材をとったり、室内でもいいので軽い運動をしたり、よく眠れるような環境づくりなどを心がけてみてください」

 これから本格化する花粉症の季節、体調を整えて元気に乗り越えよう!

花粉症タイプ別注意したい果物と野菜

原因となる花粉/おもな飛散時期/症状が出る果物と野菜

●カバノキ科花粉(シラカンバ・ハンノキ)/1月~6月/バラ科の果物(リンゴ、サクランボ、モモ、ナシ、イチゴ、プラム)・ヘーゼルナッツ・豆科(大豆、大豆製品、ピーナツ)

●草の花粉(ブタクサ・ヨモギ)/3月~10月/ウリ科の野菜や果物(メロン、スイカ、きゅうり)・トマト・オレンジ・バナナ・アボカド

●ヒノキ科花粉(スギ・ヒノキ)/1月~6月/バラ科の果物・柑橘系果物・梅干し

 教えてくれたのは……福冨友馬先生 ●独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター臨床研究推進部アレルゲン研究室長。アレルギー専門医・指導医、医学博士。成人食物アレルギー研究・治療の第一人者。

〈取材・文・イラスト/ますみかん〉