「離婚」「介護」で 破産リスクが!

 老後の生活が立ち行かなくなる老後破産。福一さんはその原因の代表格として、当然ながら「公的年金や貯金が少ないこと」を挙げる。

老後の家計の原資である年金や貯金が少なければ、苦しい老後になります。金銭的な余裕がない中で病気などしたらアウトでしょう」

 一方、年金や貯金が潤沢なら老後破産とは無縁と思いがちだが、そうではない。

「リタイア後も住宅ローンの返済や賃貸住宅の高い家賃を抱えていたり、現役時代と変わらぬ贅沢な暮らしを続けたりしていたら、いくら年金や貯金があってもいずれ生活が立ち行かなくなるのは目に見えています」

 また、妻側に見られる特有のリスクにも要注意。経済的にパートナーに依存していたり、好景気時代の金銭感覚が抜けないのも女性に多い傾向だという。

「もっともハイリスクなのが、予備軍含めて離婚を選択したケースです。厚生年金に加入する会社員の夫と、専業主婦または扶養範囲内で働く妻が別れた場合、老後にもらえる年金は国民年金だけだと、満額で40年間支払っていても月6万円程度。

 夫の厚生年金を分割できる制度に請求手続きをしなければ、とても生活することはできないでしょう」

 次いで、わが子かわいさに教育費をかけすぎるケース。

「私立の小学校から始まり大学までの学費、塾代、習い事などですね。教育費だけではありません。結婚式や孫の誕生など、お祝いの費用も惜しまない。結果、老後のために蓄えた資金の大半を失うことになってしまうのです」

 そのほか、家計のやりくりが苦手な妻の場合、老後になっても支出をコントロールできず資金ショートは時間の問題に。また、老後を満喫する意欲満々の妻の場合は、趣味や旅行などの出費を当たり前と考えるため、お金はいくらあっても足りなくなる。

「さらに、親の生活が苦しく介護費用を子どもが負担するケースも。肩代わりが増えて、親子の連鎖破産に陥った例もあります」

老後破産招く妻の共通点5コ
1.熟年離婚をしたいと思っている
2.子どもの教育費をかけすぎる
3.収支を把握していないざる家計
4.年金未納期間がある
5.親の介護費を肩代わりしている