結局、ホーコン皇太子は世間からの厳しい声に屈せずに、'01年に結婚した。

「婚約発表会見で、メッテ・マリット嬢は“過去は変えられないが未来は築くことができる”と涙ながらに自らの過去と訣別。その姿に多くの国民は心を打たれました。王室入り後は、勉学や公務に励み、好感度は瞬く間に上がった」

「王女」の肩書を使ってビジネス

 やがてホーコン皇太子との間に2人の子どもが誕生した。

「ノルウェーでは'90年の憲法改正により、男女問わず、第1子に王位継承が認められるように。皇太子夫妻の長女、イングリッド・アレクサンドラ王女は、将来の女王として注目されています」(前出・一般紙記者)

 皇太子夫妻の結婚問題が落ち着いたころ、新たな騒動を呼んだのが、国王夫妻の長女で、ホーコン皇太子の姉にあたるマッタ・ルイーセ王女だ。

 彼女は'01年、作家のアリ・ベーン氏と結婚し、3人の娘を授かったが'16年に離婚。'19年には、アメリカ人の霊媒師で、“死者と話せる”と自称するデュレク・ベレット氏との交際を発表した。

「マッタ・ルイーセ王女はもともとスピリチュアルな方で、“天使が見える”と語っていたこともあったので、気が合ったのでしょう」(欧州の王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さん、以下同)

ノルウェー王室の公式SNSではハーラル5世とソニア王妃の微笑ましい姿も見られる
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 交際発表からまもなく、王女とベレット氏は「王女と霊媒師」と銘打った講演ビジネスに着手。チケット代は1万円前後に設定され、王女という肩書を商業利用していることが非難を浴びた。

「'19年のクリスマスに王女の元夫であるアリ・ベーン氏が自殺しました。47歳でした。詳細はわかっていませんが、王女と3人の娘が霊媒師にすっかりほれ込んでいたことで、孤独感を抱いたのではないかと。多くの国民はベーン氏の死を悲しみ、同情しました。同時に、ベレット氏への批判も強まったのです」