年齢を重ねて伸びる能力もある

 前述した「流動性知能」は年齢とともに衰えていくが、実は年齢を重ねることで伸びる知能もある。それが「結晶性知能」といわれるものだ。

「知識と経験を積み重ねることで、累積的に成長するわけです。計算の早さや暗記能力では若い人に負けても、言語能力、洞察力、社会適応能力、コミュニケーション能力などは長けていることが多い。

 これは経験によって培われるものが大きいからです。個人差はありますが、語彙(ごい)力のピークは67歳くらいといわれています」

 これは、高齢になっても脳は成長することを示していることにほかならない。脳も鍛え方しだい、なのだ。

脳トレだけじゃダメ!生活習慣が影響大

 脳を鍛えるトレーニングは、ほかのいくつかの生活習慣と並行して行うと相乗効果がある。

「まず大切なのは運動です。コロナ禍で外に出なくなったり、加齢で身体の機能が衰えたりして運動不足になると、連動して脳の活動も停滞します。身体を動かすのは脳であることを考えると当然のこと。

 例えばウォーキングをするにしても、簡単な計算をしながらやるなど、頭と同時に鍛えるのもおすすめです」

 ウォーキングや速足などの有酸素運動は生活習慣病の予防にもなり、一石二鳥だ。

 また今回紹介する、脳若返り体操もぜひトライしてほしい。ふだんしない動きが、脳の幅広い部位に程よい刺激を与えることができる。

 いっぽう、脳の老化に拍車をかける悪い生活習慣もある。喫煙や一度に大量摂取するような飲酒、不眠、そして孤独もそのひとつだ。

「バランスのよい食事と健康的な規則正しい生活をし、適度に人と関わることも大切です」

 それらに加えてぜひ実践してほしいのが脳を使う脳活クイズだ。脳科学者の篠原先生が監修した25問は脳を幅広く使うよう厳選したクイズなのでおすすめだ。さっそくトライしてみてほしい。

「ただし、脳が疲れすぎたら逆効果。疲れる前にやめて脳を休めると、高めた能力がその間に定着します。また、解けなくてもがっかりする必要はありません。考えることが脳を刺激し、成長させるので、トライすることに意味があるのです」

 答えを見て「なるほど」と思うだけでも脳は活性化するという。今日から実践して、高齢になっても身体も頭も元気でいよう!