財布や貯金箱から探したいレア硬貨とは?

 一方、最近とんと見かけなくなった二千円札には、非常にレアな「エラー紙幣」が存在するという。

「どのお札にも、記番号は見やすいように左上と右下の2か所に印字されています。もちろんこの2つの記番号はまったく同じものでなければならないのですが、印刷時のミスで左上と右下のアルファベットが異なっている二千円札が一定数存在します。

 オークションでは10万~20万円の高値で取引されていますよ」

 このように、製造過程のミスでなんらかの不具合が生じたものは「エラー紙幣」「エラー硬貨」などと呼ばれている。非常に数が少ないため、驚くほどのプレミア価格がつくことも。

「2月のオークションでは、穴のあいていない50円玉に180万円の値がつきました。このほかにも穴の位置がずれているコインや、図柄がめくれたりはみ出している“ヘゲエラー”と呼ばれるコインもあります。

 最近は造幣技術が向上し、このようなエラーコインは減りました。数十年前に造られ、誤って市場に流通してしまったものが、今わずかに残っているだけです。希少価値が増したぶん、価格も高騰し続けているのです」

 コレクターのあいだでは「記念貨幣」も根強い人気。最近では大阪万博の開催を記念した銀貨の発行が話題に。第1次から第3次までデザインが異なる千円銀貨が、それぞれ1万3800円で5万枚ずつ発行予定だ。

「銀貨としては決して安くない価格で、しかも5万枚も発行されるとなれば将来的に価値が上がるかどうかは難しいところ。そもそも記念貨幣自体、あまり値上がりが期待できないものなのです

 記念貨幣は比較的頻繁に発行されており、近年も天皇陛下ご即位、沖縄復帰50周年などを記念したものが抽選販売された。

長年にわたり人気が安定しているのは、1964年の東京オリンピックを記念して発行された千円銀貨。この銀貨の中にはごくまれに、表面が鏡のように美しく仕上げられた個体が存在します。

 これらは“プルーフライク”と呼ばれ、今年2月のオークションでは16万8000円で取引されました。60年前の発売当時、この銀貨は約1000万枚も発行されています。プルーフライクとまではいかずとも、意外と実家の押し入れに眠っている可能性もありますよ」