ちなみに、“もふもふ好き”の心には、山桃という名の山犬の存在が刺さるはず。
「山桃はもふもふとしたカッコいい犬なんです。本の中には山桃をはじめ、私が大好きなイラストばかりを掲載してもらったので、ぜひご覧いただきたいです」
『鬼滅の刃』胡蝶しのぶのマグカップを愛用
宮部さんいわく、本書で「三島屋シリーズ」の第2シーズンが一段落となり、次からは新しいシーズンになるという。
「今後は三島屋の家族の話も進んでいきますし、新レギュラーも加わります。このシリーズは江戸の市井の人びとが登場する大河ファンタジーのような小説なので、気長に楽しんでお付き合いをいただけたらうれしいです」
最近の宮部さん
「『ワンピース』や『呪術廻戦』『鬼滅の刃』『ダンダダン』など、少年漫画が好き。いち読者として楽しむのはもちろん、小説を書く上で勉強になることがたくさんあります。ちなみに、今日は取材の前に『鬼滅の刃』の柱展に行ってきました。推しは胡蝶しのぶちゃん。家では彼女のマグカップを愛用していますよ!」
『猫の刻参り―三島屋変調百物語 拾之続―』宮部みゆき 新潮社 税込み2530円
取材・文/熊谷あづさ 撮影/佐藤靖彦
宮部みゆき(みやべ・みゆき)/1960年、東京都生まれ。1987年『我らが隣人の犯罪』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。1989年『魔術はささやく』で日本推理サスペンス大賞、1993年『火車』で山本周五郎賞、1999年『理由』で直木賞、2022年菊池寛賞など受賞歴多数。他の作品に『ソロモンの偽証』『小暮写眞館』『荒神』『この世の春』などがある。