普段は高血圧でも注意が必要
体重が50kgなら水分だけで体重が1.5kg減るとなんらかの症状があり、水分を10%失うと重篤となる。どんな対策が必要なのか。
「基礎疾患のない方が日常生活を送るだけなら、喉が渇く前に水やお茶をこまめに飲む習慣づくりが最も重要です。炎天下で激しい運動をする場合は、スポーツドリンクや経口補水液などを摂取しましょう。
できれば体重を量り、必要な水分量を調節してください。基本体重より少なければ脱水が進んでいるので、その分の水分をとるべきです。これは心臓病や腎臓病があり、好きなだけ水分をとれない方にも有効な方法ですね」
夏の低血圧は意外なことに、高血圧に悩む人こそ気をつけるべきだそう。
「猛暑で低血圧になって倒れたという患者さんは、高血圧で毎日降圧剤を飲んでいる方も多いんです。心臓病で血管拡張薬や利尿剤を飲んでいたり、糖尿病で尿から糖を排出する薬を飲んでいる方も、脱水に傾きやすく危険です」
ここ数年は異常な暑さが続くので、安全に過ごすために高血圧治療を見直す必要があるかもしれないという。
「まず家でしっかり血圧を測りましょう。明確な基準はないですが、普段130mmHg前後の方が、夏場に110mmHgを切るなら、降圧剤について見直してもいいでしょう。個人差があるので自宅で毎日血圧を測り、主治医と相談してください」