立ったときに起こる起立性低血圧

 さらに時間帯により血圧が変動する点も、考慮したい。

血圧は朝が一番高く、昼夜は低いという方が多いです。特に朝に降圧剤を飲むと、薬が効く昼は下がりすぎていることも。朝だけでなく昼や夜も測定し、一番低い時間帯の血圧も考慮して薬を調整しましょう

 いずれの場合も、症状を無視しないようにしたい。

「血圧が下がると立ちくらみやめまい、視野が狭くなったり白っぽくなる視野異常などが起こります。これは脳血流が不足している場合があるので、もしできればそのタイミングで血圧を測りましょう。低ければ低血圧だとほぼ確定します。

 また冷や汗も血圧低下のサインであることも。冷や汗が出るほど気分が悪くなったら、早めに楽な姿勢を取りましょう。特に寝不足や疲れているときに、脱水状態や緊張する場面に遭遇するとより陥りやすいので、気をつけてください」

過降圧となる可能性もあるので注意したい ※写真はイメージです
過降圧となる可能性もあるので注意したい ※写真はイメージです
【写真】低血圧の危険なリスク、原因から対策までひと目で分かる一覧表

 また、倒れてしまったときは自力で立ち上がろうとせず、その場で横になるのが最善だ。

ある患者さんは低血圧により道路で倒れて、道の端に移動しようと立ち上がったところ、また倒れてしまったそうなんですね。低血圧になり失神しても、横になれば脳の血流が回復し意識は戻ることがあります。ただそこで立ち上がるとまた脳貧血になり倒れてしまう。立たない、移動しない、その場で横になる。これで症状は軽減します。

 ただし運動中の失神や、前兆がなく突然失神し、すぐに目覚めて意識もはっきりしている場合は、心原性失神の可能性があり危険です。不整脈や肥大型心筋症など心血管系の病が潜んでいる可能性もあるので、循環器内科を受診してください」