目次
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ー 深夜ドラマから14年続いたシリーズ
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ー 嫌いになれない変人キャラがハマり役に
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ー 阿部寛しか演じられない外国人役

 

 現在放送中の日曜劇場『キャスター』(TBS系)で、主人公の進藤壮一を演じる阿部寛。日曜劇場の主演は6回目で、今回はキャスター役に挑んでいる。

「日曜劇場の最多主演は田村正和さんと木村拓哉さんの7回で、それに次いで多い。主人公力が強い役者さん。これまでいろいろな役をやってきていて、経験のない役を探すのが難しいくらい」

 と言うのは、漫画家でドラマウォッチャーのカトリーヌあやこさん。その言葉どおり、演じる役は幅広く、さまざまな作品で存在感を発揮してきた。そこで、30代~60代の男女500人にアンケート。阿部寛が演じた一番好きなキャラクターは?

深夜ドラマから14年続いたシリーズ

態度はデカいが気は小さい三枚目の物理学者・上田次郎でブレイク(『トリック劇場版ラストステージ』超完全版DVDより)
態度はデカいが気は小さい三枚目の物理学者・上田次郎でブレイク(『トリック劇場版ラストステージ』超完全版DVDより)

 同数で2キャラクターがランクイン。1つ目の4位は上田次郎。

『TRICK』(テレビ朝日系/2000年~2014年)で演じた物理学の教授で、仲間由紀恵とW主演を務めた。

 アンケートには、「シリアスとコミカル両方でとても魅力的なキャラクター。仲間由紀恵さんとの掛け合いも素晴らしかった」(神奈川県・47歳・男性)、「阿部寛のキャラをつくったのは『TRICK』だと思う」(広島県・53歳・男性)、「二枚目なのに適度に三枚目なところを出しているのが面白いし、うまいなあと感じた」(東京都・49歳・男性)との声が集まり、56票獲得。

「『TRICK』は、いわばキャラ初め。それまでは二枚目役が多かったけど、ここで背の高さや顔の濃さなど阿部さんの異形っぷりが発揮されました。

 自分の個性を生かしつつ、キャラを確立。シュールで笑いがちりばめられた怪優の誕生でした」(カトリーヌさん、以下同)

 ドラマはまず深夜枠で始まり、映画版、帯ドラマ、スペシャルドラマと発展した。

「阿部さんもそうですけど、仲間さんもこれでブレイクした。『TRICK』があまりに人気になって、スペシャルを放送するときは裏の日テレがジブリ作品をぶつけるようになった。ドラマの中で“なんどめだナウシカ”と習字で書かれるシーンが出てきたのもシャレがきいていましたね(笑)」

熱血で不器用な町工場の社長・佃航平役が男性からの支持を集めた(TBSチャンネルHPより)
熱血で不器用な町工場の社長・佃航平役が男性からの支持を集めた(TBSチャンネルHPより)

 同数4位は佃航平。

 日曜劇場『下町ロケット』(TBS系/2015年・2018年)の主人公で、佃製作所の社長を演じている。

 アンケートには「不器用で熱い役柄が似合ってた」(長崎県・51歳・男性)、「負けん気の強い技術者役がぴったり」(京都府・61歳・男性)、「社長として苦悩する姿と、それをはねのけ目標に進む姿が良かった」(石川県・65歳・男性)とのコメントが寄せられ、56票獲得。

「変化球的な役柄が多い中、珍しく直球で人間くさい役。町工場が大企業と競い、最後は逆転する。カタルシスがありました」

 原作は池井戸潤の小説で、アンケートは男性票が目立つ。

「モノづくりへの熱い気持ちを持っていて、みんなで熱くなっては涙する。そこが男性に響いた。“明日も仕事だぞ!”と、日曜日のお父さんを勇気づけるドラマでした」