阿部寛しか演じられない外国人役

1位はルシウス・モデストゥス。
映画『テルマエ・ロマエ』(2012年・2014年)の主人公で、古代ローマ人役を演じ話題に。
「男前でまじめなのに、はたから見ると滑稽に映る役柄がハマってた」(神奈川県・46歳・男性)、「ローマ人といわれてもまったく遜色のない風貌とパフォーマンス」(愛知県・64歳・男性)、「彫りの深さがローマ人にぴったりで、仕上げてきた筋肉がまた素晴らしい」(神奈川県・57歳・男性)と、97票獲得。
「イタリアで『テルマエ・ロマエ』を公開したとき、イタリア人が『古代ローマ人でもこんな顔の濃いやつはいない』と言ったそうです。
体形にしても、ギリギリまでホテルで3時間筋トレしてから現場に入ったりと、徹底的に仕上げていました」
日本人で古代ローマ人ができるのは阿部寛だけ、と断言する。
「身長189センチで、当初は背が高すぎてヒロインと釣り合わなかったり、平成に入ると塩顔の時代になって、一時期は仕事に悩んでいたそうです。でも逆にその武器を生かして、『テルマエ・ロマエ』では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した。阿部さんの持つ異分子が周囲をざわつかせる、ぴったりの役柄でした」
1位から4位までいずれも主演作。「そのすべては続編が作られる人気作になっています」とカトリーヌさん。
「どんなにインパクトのあるキャラで、変なセリフを言わされても、成立するのが阿部さん。制作者がぜひ起用したいというのも納得です。異質な役をやってもきちんと着地するのは、きっと阿部さんのまっすぐさゆえ。癖が強い変人を真剣にやっていて、だからこその説得力があり、どこか許せちゃう。最終的に愛すべきキャラクターになる」
今年は主演映画が2本公開予定で、まだまだこの先も出演作が続く。さて、次なるハマり役はいかに─。

<取材・文/小野寺悦子>