生成AIの魅力を語る森田さん
30年ほど前にこれを初めて体験して以来、1回体験するともう1回体験したくなる“日食病”にかかってしまったと笑う。
「皆既日食を見るために世界中に出向いているので、手術を後回しにしてメキシコに行ったのは当然の選択でした」
森田さんにとって皆既日食は“推し”のようなものだという。世界中を“追っかけ”することが生きる喜びとなる。そのために、体調を整え、健康であることは何よりの前提なのだ。
また最近では、意外にも生成AIにハマっている、と森田さん。
「一昨年からChatGPTを始めたんですが、使う人に合わせて徐々にカスタマイズされていくんですね。ここ半年で急激に進化してきて、何か質問すると、常識的な答えが返ってくるんですが、それとは別に僕に合わせた“本音”も教えてくれるんです(笑)。新しい視点が持てるし、頭も使うので認知症予防にもいいと思っています」
今回の病気を通して、人との接し方や考え方も大きく変わったという。
「昔はすごい頑固でね。自分が正しいと思ったことは曲げない部分がありました。でも入院中に自分と向き合う時間ができて、自分も間違っていたところがあったと反省したり、1人で何でもできると思ったら大間違いだということに気づけました。
人にもっと優しくなろうと思って、いろいろな価値観を認めて肯定するようになったら、自分も楽しくなりましたね」
いまは、社会への恩返しも模索しているそう。
「今年から大学の客員教授も務めることになって、若い人と触れ合えるのも楽しみです。もう一つ、沖縄で島バナナの栽培もしているんですが、それを使ったデザートの販売なんかも考えています。
健康あってこそですが、いままでの人生では受け取ることばかりだったので、これからは社会貢献として、自分の経験や知識、新しい価値などを社会に広げていけたらと思っています」
好奇心旺盛でさまざまなことにチャレンジし続ける森田さん。人生100年時代、元気なシニアのお手本として、さらなる活躍に期待!
取材・文/荒木睦美