自分がセクハラをした自覚がない可能性

 国分さんに限らず、人気芸能人が問題を起こすと、現場での裏話が明るみになることがよくあります。国分さんも、権力のある人にはペコペコするけれども、自分より立場の弱いスタッフには強く出るなど、相手の立場によって態度を変える二面性があると報じられています。

 カメラの前では愛想よく、さわやかにふるまっているけれど、陰では自分より立場の弱いスタッフに悪質なセクハラを働いていた。こういうとき、メディアはよく“ウラの顔を持っていた”という表現をしますが、私はちょっと違う意見なのです。

 国分さんはセクハラとは何なのかを、本当にわかっていないのではないでしょうか。ですから、コンプライアンス違反と言われても寝耳に水で、自分がそんな違反をした自覚はなく、故に改めることができないという“ヤバさ”を持っているように思うのです。さらに言えば、これは国分さんだけでなく、旧ジャニーズ事務所全体の問題と言えるのではないかとも思います。

 近年、スターとして一時代を築いたジャニーズ出身の芸能人の引退が相次いでいます。元TOKIOの山口達也さんは、2018年に自身がMCを務めるNHKの番組『Rの法則』で知り合った女子校生への強制わいせつ容疑で書類送検され、事実上、引退に追い込まれました。昨年は中居正広さんがフジテレビの女性社員に対して、意に染まぬ性的行為を行ったとし、自ら引退を発表しています。2人には自分より弱い立場の人に性暴力を働いたという共通点がありますが、私にはこれが偶然とは思えません。

 なぜそのように考えるかというと、国分さんが在籍していた旧ジャニーズ事務所では、性加害やセクハラが蔓延していた気配があるからです。

 2023年6月23日号『週刊文春』によると、亡くなったジャニー喜多川氏だけでなく、元マネージャーも10代の少年たちに性加害をしていたことを告白しています。

 ある程度の権限を与えられていた元マネージャーは忙しすぎて精神的に追い込まれ、ストレスのはけ口が子どもに向いてしまったそうです。一度性加害をしてしまうと感覚が麻痺して罪悪感もなくなり「いいじゃん、いいじゃんという感じで、6人くらいとそういうことをした」と明かしています。

 また、ジャニー氏や元マネージャーなどの大人だけでなく、タレントの行動も今の感覚で言うならば性加害的と言えるのではないでしょうか。