リスクは若年層よりも中高年やシニア

「気密性の高いマンションでも、隠れ脱水は起こる可能性はあります。風通しが悪く、かいた汗が蒸発しにくいので、体温がなかなか下がらない。すると熱中症リスクも高まっていきます。

 そもそも室内で脱水になるという意識が低いので、水分補給が足りない場合も多いですね。そして夜間の隠れ脱水も危険です。夏場は特に、昼間にコンクリートにこもった熱が夜間に放熱され、気温が高いまま。

 ご高齢の方は夜間頻尿を気にするあまり、水分摂取を控える方が多く、さらに脱水に陥りやすいんです」

 エアコンの性能が向上し汗をかく機会が減ると、汗で体温を調節する機能が弱りがちになる。さらに水分を蓄える機能を持つ筋肉が衰えると、おのずと脱水に傾きがちになるので、筋肉量が減る中高年はリスクが高い。

「実は30代後半から脳の下垂体という部位の働きが落ちていき、喉の渇きを感じづらくなるんです。しかも加齢により唾液量も減るので、口が渇いていることが当たり前になってしまい、渇きに気づきにくい。

 年配の方は腎機能も落ち、適切な排尿が難しくなることからも、若年層より注意が必要です」