規則正しい生活が何より重要
夏バテによる食欲減退や、中高年が「自分は大丈夫」と過信しがちなことにも警鐘を鳴らす。
「夏は暑さにより疲れやすくなり、食欲が落ちる方も多いですよね。実はここにも隠れ脱水が潜んでいます。汗をかいて体液量が減ると、消化管の血流も減り、消化吸収がスムーズに進まない。すると栄養が十分に摂取できず、さらに疲れがたまります。
それにより食欲が減退し、栄養不足になってしまう。すると食べ物からとれる水分やミネラルが不足し、脱水も進んでしまうのです。また中高年の方は“今まで脱水になっていないから大丈夫”とか“暑くないから大丈夫”なんておっしゃるのですが、これは危険です。
湿度が高くなる5~10月は、ほぼどんな環境下でも脱水や熱中症の可能性があります。水分をとることを特別な行為と思わず、生活に取り入れてもらいたいですね」
そのために飲み物だけでなく、食べ物から水分を効率良くとることも心がけたい。
「汁物はもちろん、煮物も水分量が多くおすすめです。野菜や果物もいいでしょう。バランスの良い食事を3食しっかりとっていれば、ミネラルや水分の補給にそこまで神経質にならなくても大丈夫。そして規則正しい生活を送ることが何より大切です」

安藤大樹先生●医師。医療法人社団藤和会あんどう内科クリニック院長。2011~2015年に藤田保健衛生大学病院最優秀指導医賞受賞。熱中症対策アンバサダー、藤田医科大学救急総合内科客員講師。
教えてくれたのは……安藤大樹先生●医師。医療法人社団 藤和会 あんどう内科クリニック院長。2011~2015年に藤田保健衛生大学病院最優秀指導医賞受賞。熱中症対策アンバサダー、藤田医科大学救急総合内科客員講師。
取材・文/植田沙羅