飲み物だけじゃNG!食事からも水分補給

 前述の対策に加え、谷口先生が特に重要と話すのが、日々の食事からきちんと栄養と水分を補給すること。

「夏は食欲が減退しやすく、つい小食になりがちな人もいるかと思いますが、これが大きな罠。実は、体内に入る水分の40%は食事から摂取しているのです。例えば、スープ、サラダ、ヨーグルト、カレーといった昼食を想定すると、全体で815mlもの水分がとれます」

 しかも、食事からとった水分は吸収に時間がかかるため、体内に長時間とどまり脱水症を防ぐポイントになる。

「1日に摂取する食事に含まれる水分量は約1500mlといわれており、単純計算すると1食あたり500ml。つまり、食事を1食抜くとペットボトル1本分の水分が不足している状態になるのです。1日3食正しく食事をとることは、熱中症対策の基礎ということになります」

 食事でより効率的に水分を摂取するには、水分を多く含む夏野菜や果物をとるのがよいそう。

キウイには熱中症対策に必須な4つの栄養素が含まれている!
キウイには熱中症対策に必須な4つの栄養素が含まれている!

「特に熱中症対策としておすすめなのが、水分を豊富に含み、栄養価が高いキウイフルーツです。キウイフルーツは、熱中症対策としてとりたい栄養素の代表格であるビタミンCの含有量がとても多いのが特徴。また、夏は汗とともにカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルが体内から失われ、ミネラルの不足は熱中症の症状が出やすくなる原因にもなります。キウイフルーツはこうした汗とともに体外に流れ出すミネラルを補給するのにもとても役立つのです」

キウイには4つの栄養素が!
キウイには4つの栄養素が!

 そのほか、疲労回復に不可欠で熱中症対策にも有効なビタミンB群8種のうち、キウイフルーツはビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、葉酸の6種を含んでいるそう。

「さらに、ビタミンCを摂取することで身体の暑さへの順応が早くなることも最新の研究で明らかになっています。値段も手頃で、半分にカットすればすぐに食べられるなど利点も多いので、毎日の食事に取り入れるのがおすすめですね」

 また、夜間のトイレが気になる人は、寝る前の水分補給の代わりに食べるのがいいそう。

「キウイフルーツは血糖値の上昇を緩やかにするため、糖尿病やそれに伴う頻尿の症状を緩和する効果が。寝ている間にも汗をかくため就寝前に水を飲んでほしいですが、夜トイレが近くなることが気になる人は、就寝前のコップ1杯の水の代わりにキウイフルーツを食べることもひとつの選択肢になります」

 今年の夏はキウイフルーツを食べて、熱中症をしっかり予防したい。