健康をつくるのは薬よりも牛乳生活

 和田先生は、「元気で長生きするためには、漠然と健康への不安を抱えるよりも、栄養状態を上げるほうが建設的」だと話す。

不足しがちなタンパク質をしっかりととれていれば、肌や髪は若々しく、血管や筋肉は強くなって老けにくくなります。血管が丈夫なら脳出血などのリスクも減り、筋肉があれば加齢に伴う筋力の低下を防止できます。さらに自分の足で出歩くことは脳の活性化にもつながり、認知症も予防できます

 低栄養の克服に活用したいのが「牛乳」だ。

「日本は長い間、長寿国として世界中から注目されています。長寿を支えるのは昔からの食事スタイルである粗食とされていますが、実はこの考え方は間違いです。日本が長寿国になれた大きな理由は栄養状態の改善

 戦後の学校給食で牛乳を原料とする脱脂粉乳が提供されるなど、牛乳や肉類を多く食べるようになったことこそが長寿の大きな要因なんです」

 牛乳は圧倒的に不足しているタンパク質をとりやすい食品でもある。

「胃腸が弱い人でも、体調が悪く食欲がないときでも、牛乳を飲めば手軽にタンパク質を補給することができます。一度に200mlを1日3回飲んでもらえれば、タンパク質をはじめとする栄養を摂取することができます。

 牛乳自体が苦手な人は、アーモンドミルクやオーツミルクなどでもかまいません」

1杯で1日の1/3量のカルシウムがとれる!
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 牛乳でお腹の調子を崩してしまう人には乳製品がおすすめだという。

「牛乳を飲んでお腹がゴロゴロするのは病気ではなく、乳糖不耐症が原因です。乳糖不耐症の方はヨーグルトなどの乳製品で栄養を補給してください」

 必要な栄養をとるためには、牛乳と乳製品を併用することも大切だ。

「牛乳にいちごやバナナを混ぜたフルーツ牛乳でもいいですし、牛乳の代わりにアイスクリームやヨーグルト、チーズ、生クリームといった乳製品をとるのもいいでしょう」

 牛乳を飲む際にはひとつだけ注意したいことがある。

低脂肪牛乳では脂質を十分に補給できず、せっかく牛乳を飲んでも低栄養の状態を改善できないことになります。牛乳は脂肪分が入っている無調整の牛乳を飲むようにしてください