そのため、回復後も自助グループに通い、他の当事者をサポートする側にまわりつつ、ギャンブルに頼らない生活を維持していくことがすすめられる。

回復者は「依存症になる前よりも今のほうがいい人生だ」

「取り組みを継続することを大変そうだと捉える人もいますが、決してそんなことはありません。自分にとって最悪だった経験を、同じ問題で苦しむ人を助けるための価値ある経験に変換することで、使命感と居場所感を得ることができます。

 再び問題を起こしたとしても、必ず共に考え、助けてくれる仲間がいる、そんな居場所がある人がこの社会でどれだけいるでしょうか。多くの回復者が『依存症になる前よりも今のほうがいい人生だ』と話しています。人生を諦めず、前向きにがんばっている人ばかりですから、ぜひ相談をしてほしいです

 今悩んでいる人は諦めず助けを求めて!

オンライン化も! 自助グループってなに?

 同じ問題を抱える人々やその家族が互いに支え合い、回復を目指す自発的な集まり。体験を共有し、励まし合いながら回復を目指す。依存症の場合、アルコール、薬物、ギャンブルなど、依存先によって、さまざまな自助グループが存在する。人目を気にして自助グループに参加しづらいと考える当事者も多いが、最近はZOOMなどオンライン会議アプリを利用して参加することも可能になっている。

取材・文/鷺島鈴香

田中紀子さん(公社)ギャンブル依存症問題を考える会・代表。ギャンブル依存症当事者・家族の支援に力を入れつつ、各地で啓発活動を行っている。「国がギャンブルを認めるなら対策が必要」と国や地方自治体にも政策を提言。