危険が潜む、大学構内

 しかし、秋篠宮さまのときと悠仁さまの場合とでは状況が異なると前出の松丸さん。

「学習院は昔から皇室の方々が通われている大学なので、警衛側は周囲の店を知り尽くしています。どこの店が協力的だとか、どこのママさんがいい人だとかを把握しているので警護もしやすい。一方で経験値のない筑波大学となると、お店側も慣れていませんから苦戦するのは当然です」

ご友人と会話しながら筑波大学の構内を移動される悠仁さま(読者提供)
ご友人と会話しながら筑波大学の構内を移動される悠仁さま(読者提供)
【写真】「意外と陽キャ」“イケイケ”なご友人と談笑される悠仁さま

 松丸さんは危険が潜むのは学外だけではないと続ける。

「意外と危険なのは大学の構内です。上皇さまも天皇陛下も、国民との親和性を重視し、警衛によって物々しくなることを避けていらっしゃった印象です。おそらく悠仁さまが構内を移動される際も、警衛はぴったりとお隣につくのではなく、目立たないように少し離れた場所に控えていると思います。

 その場合、階段を上る際など、どうしても死角になったり見えにくくなる瞬間があります。その瞬間を狙われた場合、かなり危険な状況になりかねません」

 悠仁さまの身を守るため、2つのことが必要だと、前出の小山内さんは言う。

「警護には“待ち伏せによる攻撃”を防ぐことが必須です。そのためには訪問先や移動ルートに“ルーティン”をつくらないこと。“何日にどこへ行く”という情報をできるだけ他人に知らせないようにすることが必要です。

 このルーティン管理と情報管理をきちんと行うことで“待ち伏せ”による脅威を減らすことができ、悠仁さまの身の安全性が格段に上がります」

 悠仁さまのご卒業まで少なくとも3年半。ご両親が納得する警護体制を築き、無事に卒業されることを願うばかりだ─。

小山内秀友 世界最大の要人警護組織IBA(国際ボディーガード協会)副長官兼アジア地域統括責任者。著書に『要人警護業務:ボディーガード(身辺警護・要人警護)の世界』
松丸俊彦 元警視庁公安捜査官。退職後、外務省やJICAなどで警護コンサル業務を担い、現在は防犯コンサルタントとして講演会やメディアでの発信を行う