「痛みやこわばりがあっても、手指を動かすことが大切です。動かさないでいると、関節はますます固まってしまい、筋力も衰えます。手をグー、パーと閉じたり開いたりするだけでもいいのですが、手を閉じたときに何か抵抗があるものを持って“にぎにぎ”すると、もっと効果的です。
おすすめしているのが、タオルを丸めて持って“にぎにぎ”するストレッチ。軟式テニスボールなど、硬すぎないものならボールでも大丈夫です。手指の関節や靭帯の動きをスムーズにしてくれます」
1~2分続ければ、全身の血流がよくなる
病気がある人の根本治療ではないが、こわばりもある程度は改善されるとのこと。簡単にどこでもできるので、手の筋力アップには最適。
このストレッチには、手指の動きをよくするだけでなく、さらにうれしい効果があるという。
「全身の血流がよくなり、血圧を下げる効果が期待できます。手を“にぎにぎ”したときに腕の筋肉も収縮され、手や腕周辺の血流が上昇します。これを1~2分続ければ、全身の血流がよくなってきます。
さらに、血管内に一酸化窒素(NO)を産生します。NOには血管を広げる作用があり、十分に出ていると血管を柔らかくしてくれます。そのため、ストレッチを続けることで、血圧は長期的に低下し、安定していきます」
隙間時間などにタオルを“にぎにぎ”して、手指の握力アップから健康生活を目指そう。
手の「こわばり」が見られる病気
ヘバーデン結節
指の第1関節が腫れて痛み、変形する原因不明の病気。人により変形の度合いは異なる。40代後半以降の女性に多く、母親や祖母がヘバーデン結節だと、遺伝的な要因で子どももなりやすいといわれる
関節リウマチ
免疫の異常により発症する疾患。手足の関節に炎症を起こして腫れや痛みを伴う。進行すると、骨や軟骨が壊れて関節が動かなくなり、日常生活が困難に。初期症状は、熱っぽさ、倦怠感、食欲不振、朝方の関節のこわばりなど。
手指の冷え
冷え性により、手指が動かしづらくなることがある。手指のストレッチが有効。また、へバーデン結節や関節リウマチのような慢性的な痛み・しびれ・こわばりに、冷えは大敵
主婦と生活社 2200円(税込み)